◇第54話◇チーム『ぽっぽ』のハナシ
土曜から日曜にかけて久しぶりに下の二人が実家へ泊りがけで行ってて。
家には受験勉強中の長男と仕事抱えた母(わたし)が二人居残り。
お互いに、とにかく余裕無い。時は金なり。
嗚呼!って髪掻き毟りたい感じ。
そんな中、それでも食事はするわけで。 食事すると瞼が落ちてきたりするわけで。
マズイ!!とか思ったけど土曜日の昼から親子二人で 夜まで爆睡。 気が付けば外、暗いよ。 呆然。
でもこうなりゃ、まぁとにかく夕食。
それから、いつの間にか始まる世間話? 元々 趣味や思考が似通ってるもんで。
何がきっかけだったか忘れたけど 盛り上がって馬鹿バナシしてると、そこで思わぬ共通の体験。
通称 チーム『ぽっぽ』
そいつらは、バス停前の比較的大きい公園に 随分前から、たむろしている。
その数は半端じゃない。 総動員すると地面が灰色に見えるときもあるくらいだ。
そう……ヤツラは鳩。 平和の象徴とか言われることもあるけど、この武闘派チーム『ぽっぽ』に関しては、それは当てはまるとは思えない。
まずは、わたしの体験談。
まだ子ども(長男)が小さな頃のこと。ベビーカーに乗せて公園にお散歩。
ベンチに座ってポカポカと何とも気持ちいい陽射し。
「そうそう……オヤツに赤ちゃんビスケットあげようねぇ~ 」で、ご機嫌の我が子に握らせる。 子どもはまだ上手に食べられないので ボロボロ落とす。 そこに 鳩が2羽、3羽…… 。良くあるのどかな風景……のはずだった。
しばらく子どもを見ながらボンヤリしていると 、なんだか鳩の数が増えてる。 え? それもなんていうか 囲まれてる?
どうも子どもがボロボロ落としてるビスケットが目当てみたいだ。 それにしても距離が近い……っていうか近すぎない? 普通 ちょっと動いたりしたら 一斉に飛び立ったりする……よね?
だけど デンと構えて動かないどころか 包囲網が縮まってる~~~!!! 鳩、なんでこんなにいるの?いつの間に? それに目がふてぶてしいというか 怖いよ~なんか明らかにつぶらな……じゃなくて年季モノの目してるもん。
試しにちょっと大き目のビスケットを 遠くに投げてみる。 だだだだだだだ~っ!!!とスゴイ迫力で ビスケットに群がる鳩。 ツンツンじゃなくてガツガツとあっという間に消えるビスケット。 で 、いっせいにまた、こっちに迫ってくる。
それはまるでニヤリと笑って "へへへ……コイツら、ええもん持ってるぜ!"とでも 言わんばかり。
だってさ……座ってるベンチの横に平気で寄ってくる。 大慌てで再度遠くに今度は2.3枚ビスケットを放って、それに群がってる隙に脱出成功。
それからは、この公園には近寄らなくなった。 少なくとも食べ物持った状態では。
「あそこの鳩はただモンじゃないよ~」というと、今度は息子が体験談。
まだ小学生低学年の頃に、友達と数人で公園で遊んでいたらしい。 たまたま 仲間の一人が、お菓子をいっぱい持ってた。
両方のポケットの中に、後は両手に抱えて、みんなに大盤振る舞い。
ベンチに座って分けようとしていた。 で 、手に持ってたお菓子の袋を開けたら、たまたま パァッとイキオイあまって、お菓子が散らばっちゃった。
あ~あ! って思ったけどしょうがないので、もう一袋のお菓子を開けた。
この時点で彼の身体には、お菓子のカケラがかなりひっついてて 、周囲にはぶちまけちゃったお菓子が……。
こんなオイシイ状況を見逃すほどチーム『ぽっぽ』は 甘くなかった。
気が付くと男の子達は、すっかりチーム『ぽっぽ』に囲まれてたらしい。
すっかり陣形ができあがってた とお
でも それは逆効果になった。 捕獲体勢から驚かされたことで攻撃捕獲体勢に入った『ぽっぽ』 お菓子を抱えた男の子に飛び掛ってきた。
パニックになったのは、その男の子。 叫びながらお菓子を散らばらせながら逃げ出したとたんに 悲劇が彼を襲った。
思いっきりすっ転んだ。顔面スライディング。 潰れて服についたお菓子に群がるぽっぽ達。
お
それから暫くお
どうもお
「あれがトラウマになって鳥、怖くなったもんなぁ~」と話すと 「そうそう!同じ同じ!」と大きく頷くお
しかもチーム『ぽっぽ』ってば、みんな丸々してて目つきが鋭い。 すごいよねぇ~とチーム『ぽっぽ』(っていうのも わたしとお
この夜はとにかくこのバカ話で 久々にお腹の皮がよじれるくらい大笑いした。
暫し 受験も仕事も忘れて 鬱憤晴らすかのごとく、ひいひい言って笑い転げた。 気が付けば夜中。 笑い転げたまま 眠りこけてた母と息子。 まったくナニやってるんだか!
しかし チーム『ぽっぽ』タクマシイ。
ここまでくると生きる胆力に感嘆すら感じるよ。 久しぶりにお
そうしてお
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
*この頃のこと*
これは、ちょうど長男が高校受験の頃のオハナシですね。
鳩、というと、それまでは平和の使者のイメージだったのですが、変に人馴れして、いや既に人間をバカにすらしているチーム『ポッポ』たちは、すごい迫力でした^^;
大きめの公園は格好の餌場だったのでしょうねぇ。
こんな
こういうところにもコロナ禍の影響がでているのかなと思えば、なんとも複雑な気持ちになりますね。
おもひで草紙─昔の日記から─ つきの @K-Tukino
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。おもひで草紙─昔の日記から─の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
いつかこんな冬の終わりに/つきの
★122 エッセイ・ノンフィクション 連載中 58話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます