「ナイスジャンプ」


「え」


「すごい。大ジャンプじゃん。よし。俺もっ」


「あれ、私。生きてる」


「よっ、と。そりゃあ生きてるよ。電車来てないもん」


「だって、え、あれ、どうして」


「あれが原因です。光の反射」


「反射?」


「別なホームに来た電車のライトが、ビルに反射されてるだけ。電車はここじゃなくて、違うホームに来てるね」


「え、なに。私、光の中に突っ込んだ、だけ?」


「君は、光に吸い寄せられるタイプの虫だね」


「虫って」


「あ、もしもし。はい。彼女は三番ホームです」


「あ、ちょっと。友達呼ばないでよ」


「おっと。体重増えた?」


「昼にステーキたべちゃった」


「健康的で食欲旺盛なのは良いことです」


「あ、ごめっ」


「離さないよ?」


「おっ」


「せっかく君が抱きついてくれたのに。離すわけないじゃん」


「ひっぱたくよ?」


「え、なんで。いたっ。いたいいたい」


「友達来るってば。友達の前でいちゃつくのはちょっと」


「じゃあ友達が来るまで」


「えいっ」


「脛に直蹴りは聞いてないですね」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

真夜中の駅構内 春嵐 @aiot3110

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ