ずっと前から思ってたんだけど

3pu (旧名 睡眠が足りない人)

ずっと前から思ってたんだけど


「なぁ、ずっと前から思ってたんだけどさ。みーちゃんはモテて何で俺はモテないんだろうな?」


高校の授業が終わった放課後、たまたま帰り道で幼馴染みのみーちゃんとあったので適当に駄弁っていると、俺は前から思っていたことを口に出した。


「単純に顔じゃないかな〜。私目線だとあかちゃんの顔面偏差値47だよ」


「そこは50にしろよ!?ちょっと平均値届いてない感じが凄え腹立つ」


「えぇ、多分みんなこれくらいって言うよ〜」


「顔がいいとは思ってないからそれを否定できねぇー」


俺はみーちゃんの辛辣な言葉に精神的ダメージを肩を落としていると、それを見てみーちゃんはケラケラと笑っている。


まぁ、その笑顔を見ると多くの男子が彼女に告白するのも分かる。

みーちゃんは身内贔屓無しに言って美少女だ。茶髪のふわふわとしたボブショートに手入れは殆どしてないと言っていたのにも関わらず真っ白でスベスベな肌。瞳はパッチリ、目鼻立ちはスッと整っており配置は完璧た。

さらにスタイルもボボキュボンと高校2年とは思えないほどの悩殺ボディをしている。


うん、モテない要素がないなこりゃ。


それに対して、俺は少し背が高いことくらいしか特徴のない黒髪男子。

文字数で分かる格差、こりゃ比べるまでもないわ。


「あかちゃん、そんなに落ち込むことないよ。知らない人に急に好きですって言われるのは疲れるんだぜ?ふっ…」


「おい、何で最後小馬鹿にしたように笑った?お前には一生理解できないだろうなって思ってるだろ」


「ふっ…そんなこと…ふっ…ないよ」


「話してる途中に入れてくんな!腹立つ」


「分かった分かった、やめま〜すよ〜。真面目な話、モテるって言っても意中の人に振り向いて貰えないんじゃ他の人に褒められたり、告白されても全然嬉しくないよ。ただただ、鳥肌が立つ」


そう言って、みーちゃんはスカートのポッケにあったラブレターを取り出し、自販機のゴミ箱の中に突っ込んだ。


(出した男は報われねぇな。てかこいつ意中の人俺しらねぇわ。誰なんだろ?俺らそういう恋愛関係の話題したことねぇから全く分からんわ)


「ふぃー、スッキリしたー。男なのに丸文字なのキモいから読むのキツかったんだよね。男はもっとガツンとしてないと」


「文字で判断すんな。意外とガタイの良いやつからかも知んないだろ」


「別にそうだったとしても嫌だね。直接言葉にできない時点で論外。校舎裏とか屋上に呼ぶくらいじゃないとまず相手したくない」


「両方封鎖されてるから結局無理だろ…」


「そうだけど…それくらいの覚悟が欲しいんだよね。何か私高嶺の花みたいな扱いになってるから、断られるだろうなって思って告白してくるから」


まぁ、そうだろうな。こいつより学校内で可愛い子居ないし、てかそこら辺のローカルテレビに出ている奴よりも可愛い。そりゃ、釣り合わないと本能レベルで察するんだろうな。

かくいう俺も…


「まぁ、お前はの顔面偏差値87だからな。俺よりも40高いからしょうがない」


「あかちゃん……せめて90にしてよ」


「お前が国民的アイドルレベルならそう言ってた」


「それは無理だね。私アイドルなんかやりたくもない。専業主婦で一生ダラダラ生活したいもん」


「最近思うんだけど、主婦=ヒモってじゃないか?」


「じゃあ、ヒモになりたい。養ってくれ〜、あかちゃん」


みーちゃんはそう言うと俺の腕に絡みついてきた。その際に豊満な胸の感触がダイレクトに当たるが、こういうのは日常的にあるため慣れている。…慣れてい…る。


「それお前、俺と結婚することになるけどいいのか?」


「いいよ。……だって私あかちゃんのこと大好きだもん」


そう言うと、みーちゃんはおれの頬にキスをした。


「〜〜!?はっ、……マジ?」


「マジだよ?顔面偏差値47のあかちゃんが僕は大好きだよ。保育園の頃君に出会ってからずっと、私は君のことが好き。距離が近過ぎて素直に今まで言えなかったけど、ぶっきらぼうに見えて世話焼きなとこ、意外と運動が得意なこと、料理が上手いこと、さりげなく助けてくれること、他にも言葉で伝え切れないくらいあかちゃんは魅力的、顔なんてどうだって良い私のことを真っ直ぐに見てくれる君が私は好き」


みーちゃんの突然の告白に俺は、頬を真っ赤に染め固まった。

だが、ずっとそのままではいられない。

みーちゃんは期待のこもったそれでいて不安そうな瞳を俺に向けている。

俺はその瞳を真っ正面から受け止め、意を決して口を開いた。


「俺もずっと前からみーちゃんのことが好きだよ。愛してる。だから付き合ってくれ」


「〜〜〜!?はい!喜んで」


雰囲気も何もない道端の告白。

浪漫なんて物は全くない告白だけど、この日見た彼女の表情を俺は一生忘れないだろう。嬉し涙を流しながら浮かべているくしゃくしゃなこの笑みを。


俺たちは、お互い距離が近すぎて言葉や態度に出せなかっただけでどうやらお互い、ずっと前から想っていたらしい。


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あとがき

勢いで書いた。だが、後悔はない。

コメントで連載版が見たいという意見があったらやるかも。





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ずっと前から思ってたんだけど 3pu (旧名 睡眠が足りない人) @mainstume

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