第2話

【もうすぐ私たちの番だよ】

【う、うんそうだね】

【ふふっ緊張しすぎだよー、私もしてるけど。】

【だってあの勇者パーティーが来てるんだよ、もしかしたら人材確保のために来たのかも】


なんて話してると教会の爺さんが大きな声を出した。


【なんと職業「剣豪」ですぞ!素晴らしい】


「剣豪」の奴はドヤ顔で勇者パーティーの方をちらちら見ていたが、勇者パーティーは見向きもしていない。「剣豪」でもダメのか、まぁ確かに勇者パーティーともなれば「剣聖」くらいじゃないとダメか。


【リューくん私の番だ行ってくるね。】

【うん頑張ってね】

【うん、絶対いい職業になってくる】


そう言ってレイナは立ち上がり爺さんの方へ近ずいて行く。やばい僕まで緊張してきた。

レイナが水晶に触れる。眩い光とともに文字が浮かび上がる


【こ、これは、100年に1度しか出ないと言われている「剣神」!!しかもスキルも超レアスキル「予知」!素晴らしい!】


会場がどっとわいた、あの勇者パーティーですら、開いた口が塞がってない。レイナは僕の方をみてピースしてくる。僕もせめて戦闘職を出さないと。静かになるまでに10分くらいかかり、ようやく僕の名前が呼ばれた。

すごい緊張する。

すると席に戻っていたレイナが


【リューくん頑張ってね】

僕が戦闘職なのを微塵も疑っていない綺麗な目で言った。


【うん、任せてよ】


僕は水晶に近づき手をかざす。

近くで見るとさらに眩しい光が僕を包み込む。


【な、なんと「無職」です!】


会場全体が笑いの渦にのまれる。僕は一瞬何を言われているのか分からなかった。


【スキルは「勇者」だ早く戻れ「無職」】


僕はただただ絶望していた。

僕は教会から逃げ出した。レイナは勇者から言い寄られている。ここでお別れなのか。流石に勇者の誘いを断るわけないよな。

僕は家に帰り自分の部屋で泣いた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

スキル「勇者」、、、え職業じゃなくて? ぱとりおっつ @_fj

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る