あとがき
都々丸です。
『月にかわって』を読んででくださり、ありがとうございます。
このお話は、友人と電話してるときに思いついた、3つの言葉を使って小説を書こうという遊びからできたものです。この遊びのルールは簡単で、「お互いが3つ適当な言葉を相手に提案して、それらの言葉を使って、なんでもいいので物語を書く」というカンジです。やったことがある人も結構多いと思います。ひとりでもできますし、難しいですけど、楽しくて好きです。
ここでちょっと、読んでくださったついでに考えていただきたいことがあります。私が友人から提案された3つの言葉とは、何でしょうか?
重要なのは「その言葉を使ってさえいればいい」ということです。「その言葉をテーマにして書く」という訳ではないです。
(答えは下の「……」で区切られた後にあります)
物語の解説のようなものをいたしますと、まず、この物語の主役は「わたしさん」と「私さん」です。表記ゆれではなくて、それぞれ別の人物です。(書いてる本人でさえも混乱した)
ふたりはとても仲がよくて、だけど、別々の国のすごい偉い人の子どもです。お互いの国が戦争を始めたら、ふたりは戦わなくてはなりません。ふたりとも、幼いころから人の上に立つという事はどういうことなのか、たくさん学んできました。だから、覚悟はできています。
そのはずですが、どちらが提案したのか、戦争中もふたりは誰も寄り付かない崩れた聖堂で、誰にも内緒で会っていました。そんなふたりを、月はいつも、何も言わず見ていてくれました。
決戦前夜、2つの月に照らされながら、ある約束をします。
どうせ関係を壊されるのなら、壊される前にお互いの命を預けてしまおう。そうして、奪われる前に、大切な人にあげてしまおう。
月が2つ存在するこの世界で、いっそ月になってしまえたら。物言わぬ星々に囲まれて、暗い空に、何もせずただふたりで浮かぶだけでいいのに。
しかし、決戦当日、何もかも照らし出す太陽のもと、ふたりの約束に邪魔が入ります。致命傷を負ったひとりは、自身の桁外れた強さで、何もかもかもぐちゃぐちゃにします。
それでも、ふたりは約束を果たし、最良の終わりを迎えました。
ふたりの名前は特に決めていません。あと、性別も、読んでくださった方のお好きなように設定してもらえたら嬉しいです。
ぶっちゃけ、性別を特定しないように書くのがくそめんどくさくてもう決めちゃおうかとも思ったんですけど、友としての愛でも、想い人としての愛でも、なんでも自由に受け取って解釈したいよなと思って頑張りました。「
……………………………………………………
最初に書いた通り、この小説は「提案された3つの言葉」が使われています。
その言葉とは「黒魔術・正義・嘘」です。
「正義」と「嘘」を一緒に出してくるあたり、さすが私の友人ってカンジですね。
「黒魔術」という言葉をもらって最初に思いついたのが「これはまるで、黒魔術のような背徳感」っていうセリフでした。そこから「背徳感=いけないことをしている後ろめたさ=密会」ってカンジで連想して、あとは私の好みを盛大にぶち込んで、でき上がったのがこの作品です。だから、友人が「黒魔術」って言葉をくれなければ、私はこの物語を書いていなかったのかと思うと、なんかテンション上がりますね。
惚気てしまい、すみません。
このたびは、私の作品を読んでくださり、その上あとがきまで読んでくださり、本当にありがとうございます。いつかまた、短編を書いたら、カクヨムにあげたいと思います。
追記:ちょっと投稿した後に見直してみたら、段落とか変になってたんで、表記揺れ等含めて直しました。内容に変わりはありません。
(連載中の貝がらの方は、ええカンジに筆が止まっていて、まことに困っております。もし、続きが気になっている方がいましたら申し訳ありません。頑張ります。)
月にかわって 都々丸@牛の歩み @190201300831
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