プロローグ最終

俺が勇者だと分かった瞬間周りからすごい歓声があがり、あれよあれよと豪華な城に連れて行かれた。


とても広くって、支給人も沢山いた。


そのなかでとある一室に入ると、豪勢な料理が目の前に並んでいる。


俺たちは自由に食べていいらしい。




「急に呼び出してしまったこと、誠に申し訳ない。ワシは、プレメディアス・シーストシートス・ウェルスピア3世じゃ」


「妾はプレメディアス・リルストリ・ウィルスピア4世である」


「シーストシートス様は、我らが国ウィルスピアを統治する国王であられる!」


なんかスゴい紹介があったぞ。


あのお爺さんやっぱり国王だったのか。


豪華な服を着てるし、そもそもここがお城だし……。


「ところで、勇者様のお名前を聞かせてくれますかのぉ」


勇者様って俺のことなんだよな……。


流石に王様と分かった後にタメ口で話す勇気はない。


「僕は黒星冷夜です。僕たちを呼んだ目的は何ですか? あと、先生はどこ行ったんですか?」


そう。

俺には気になることがあった。


先生と、バスガイド、それとバスの運転手がいないのだ。


「大人はここに呼べないのじゃよ」


「そ、そうなのか……」


「そしてお主らを呼んだ理由じゃが、魔王という魔族の王が復活してしまったのじゃ。そやつらを倒すのには我が世界の人材じゃ足りんのじゃ。我が国には四帝と呼ばれる国の4本指に入る強さの者がいる。その者等をお主等の教育につける。どうかこの国を救ってはくれまいか」


うおぅ。

まんまテンプレだな。


楽しくなってきたなぁ。


「質問なのですが、僕たちが魔王を倒したら何か報酬はあるのでしょうか?」


メガネをくいっと上げて、進藤しんどう公也きみやが現金なことを言う。


「おい! 困ってる人がいるというのに何を求めているんだい!?」


天野勇也はいつも通りである。


「報酬なら幾らでも用意してある。金でも名声でもなんでもな」


その言葉を聞いて、かなりの人たちがやる気に溢れた顔をした。


残りはやはり不安なのだろう。


暗い表情のまま、成り行きを見守っているといった感じだ。


こうして俺たちの異世界生活は幕を開け……る前にご飯を食べようと思う。


まず最初に取ってきた、日本で言うパスタみたいなやつは、きちんとパスタだった。


ピザなどもあることから、イタリア要素が強い気がする。


そして、一際目を引いているのがバカでかい生首。


それは何の首かと言うと、異世界物の王道格。ドラゴンだった。


まさかドラゴンの存在をここで確認するとは思わなかった。


味は、少し硬い豚肉で、これの何がすごいかと言うと、レベルが上がるらしいのだ。


ちなみに俺も3Lv上がった。


ドラゴンを喰ってたらそれだけで魔王を倒せるのではないだろうか。


『ドラゴンを食べるだけで魔王を退治してみたっ!』


って言うサムネイルでYOURETU(動画配信サイト)にあったらみんな見るだろう。



騒がしいご飯の時間は終わった。


やっと俺たちの異世界生活は幕を開けたのだった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

復讐の為に心を売った勇者〜強さに貪欲に、強い仲間を集めて魔王へ復讐を!〜 ネコlove @sakikou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ