プロローグ② 転移
こんにちは!
ネコloveです。
感想やレビューありがとうございます。
それでは。
やっと異世界感が……。
♢♢♢
「それは君が悪いんじゃないかい?」
そう言って俺たちの会話に割り込んできたのは
クラスカースト上位に位置し、割となんでもできる男。
でも、全部自分の価値観で物事を決め、それを人に押し付けてくる。
それがとってもうざったらしい。
彼が正義なんかを語った日にはコレだよ。
なぜ友達とアニメのネタを言い合っていたら注意されないといけないのだろうか。
その友達とは
かなりのアニメオタクで、俺もアニメの世界に彼によって引き込まれた。
さっきの会話だってただのアニメの一部の会話だったのに!
アニメのセリフ同士で笑いながら喧嘩してたら第三者に口出しされないといけないんだよ。
遊びじゃねぇか。
でも、コイツのウザいところはそれだけじゃない。
もし、おれが弁解をしても話を聞かず、相手が認めるまで、自分の考えを曲げないんだ。
だから軽くあしらう。
「はいはい。すみませんでした」
「"はい"は普通一回ですし、なぜいけないことをしたのに反省する気がないのですか! (以下略)」
ほら。もう捕まったよ。
♢♢♢
気候は大きく変わり、暑く、ジメジメとした気候から一転。
シンシンと雪が積もる冬へと様変わりした。
「なぁ冷夜! 絶対女子の風呂場覗こうな!」
うちの学校は二年生の十二月に修学旅行に行く。
バスに揺られながら、なにかとほざいている拓馬に耳を傾ける。
その刹那。
大きな音がなり、バスが揺れたかと思うと、今度はなにも感じなくなった。
何故かゆったりとすら感じるバスの中、
《召喚成功。スキル適合を開始します》
という無機質な声の傍に、意識を手放した。
♢♢♢
「おお! やったぞ! 成功だっ!」
「「「「「「うおぉぉぉぉーーーーー!!!!!!」」」」」」
耳をつんざくほどの歓喜の声を浴び、目を覚ます。
少し経つと朦朧としていた意識もハッキリとしてきた。
目の前には豪華な服のお爺さん。
後ろには大衆。
どういう状況だ?
すると豪華なお爺さんが口を開けた。
「勇者は誰だ?」
ゆうしゃ?
ゆうしゃ……勇者のことか?
「も、もしかして異世界転移かっ!? ステータス! ウッヒョーーーー! ステータスプレートだぁ!」
急に隣で真也が叫び出した。
「おっ! 俺の職業は鑑定士だっ! スキルは言語標準翻訳と鑑定! ふぁぁぁ! 夢じゃないよな! 冷夜! ほっぺたつねってくれよ!」
「お、おう」
クラスメート全員がシンと静まり返って、日頃大人しい真也の豹変ぶりに唖然としている。
俺は生返事を返してほっぺをつねってやった。
「い、い、い、いってぇぇぇぇぇぇぇぇ! ほっぺが千切れるかと思ったぁ……。まぁ、でも痛いということは現実なのか。ふはははは! 冷夜もステータスって言ってみろよ」
「ステータス!」
反射的にいってみたが何もおこら……!
うわぁ!
目の前に透明な板が浮かび上がってきた。
クラスメートも次々にステータスと叫んでいく。
豪華なお爺さんたちは見定めるような目で俺たちを見ている。
⁑ ⁑ ⁑
黒星冷夜 Lv.1
職業;勇者
スキル;言語標準翻訳
身体能力向上Ⅴ
聖の加護
聖剣の保持者
⁑ ⁑ ⁑
まず、驚くべきこと一つ目。
俺が勇者だということ。
二つ目。
本当にここは異世界であるということだ。
「冷夜ぁぁ!」
そこに拓馬がやってきた。
なんか悲しげな表情だ。
もしかしてこいつの職業はニートなのだろうか……。
「女子風呂覗けなかったよぉぉぉ!」
うわっ。
コイツそれか!
今この状況でそれかっ!?
「お、おう、ところで職業はなんだったんだ?」
「あぁっ。職業か? 俺はニートだったぜ。冷夜もか……良かったな俺という仲間がいて」
こ、コイツ本当にニートだったのか!?
「俺は勇者なんだが……」
その声だけがたまたま静かになった辺りに響き渡った。
「おぉっ! お主が勇者かっ!」
「「「「「うおぉぉぉぉーーーーーーー!!!!!!!」」」」」
今日一回聞いた歓声がまた巻き上がった。
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