★★★ Excellent!!! 音楽に人生を捧げたロックンローラー 望月俊太郎 憧れて夢見て、うまくいかなくて。周りを見れば当たり前に社会に溶け込んでいて。 主人公の焦りとプライドと音楽に対する情熱が入り乱れる描写は臨場感があり、読んでいて引き付けられる作品。 若い頃に何か夢を持って挑戦した事のある方や音楽好きな方にお薦めの短編小説です。 レビューいいね! 2 2022年7月16日 02:06
★★ Very Good!! 読者の劣等感さえ代弁する 綾波 宗水 劣等感がこれでもかと描かれている。 とてもリアルな感情が徹底されており、主人公はロックバンドであったが、私であれば小説執筆など、読み手にも痛感する節がある。 場面を区切る記号が特徴的でこだわりを感じさせるのも、作風とリンクしていて面白い。 レビューいいね! 2 2020年11月26日 15:00
★★★ Excellent!!! ロックってのは生き様なんだよ 八壁ゆかり 唐突な話だが聞いて欲しい。 イギリスはウェールズ出身のマニック・ストリート・プリーチャーズというバンドがいる。90年代初頭にデビューした彼らは本国ではもう大御所、国民的バンドと呼んで差し支えない大物だ。 しかし、現在のアー写には、三人のメンバーの姿しか映っていない。 四人目が、いたのに。 リッチー・ジェームズ・エドワーズは、マニックスの「作詞担当」で、ライブでは一応ギターをさげていたが、演奏はできなかった。作曲と歌唱はジェームズという別メンバーが行い、ベースとドラムはかろうじて聞ける程度の演奏技術だった。 だが当初一番人気だったのはヴォーカルのジェームズではなくリッチーだった。整った顔立ちと独特のファッションセンス、そして自傷行為に代表される精神的な危うさがカルト的な、いや、「的な」ではなくカルトそのものの人気を得、多大なる支持を得た。 ところが三枚目のアルバムを出した後、ツアー前日に、リッチーは失踪する。 彼の車は自殺の名所で発見されたが死体は見つからなかった。すると世界各国で目撃情報が報告されるようになった。 一年半沈黙を守った残り三人は、リッチーの家族の希望もあり活動を再開する。 その復活曲が大ヒットして今のマニックスがあるのだから皮肉なことこの上ない。 そして2008年、イギリスの法律により、失踪から一定期間が経過したことで、リッチーは「死亡認定」された。 ……枕にしては長すぎる話でしたホントすみませんマジごめんなさい!! でもでも、俺は本作を読みながら、何故かリッチーのことを思い出していたんです。 狭き門を夢や人生の目的、生き甲斐、として、もしくは「食っていく手段」として設定してしまうと、当然ながらこの物語の主人公のような人々があふれかえる。 そしていつしか己の限界を知り、「諦め」たり「プランを変更」したりせざるを得ない。なぜなら食っていけな… 続きを読む レビューいいね! 1 2020年9月17日 18:37
★★★ Excellent!!! ロックンローラーは27歳で死ぬ。ただそれだけの人生だった たかしゃん 自主企画に参加してくださった作品で、コメントから参りました。 四畳半のアパートで哀愁漂わせて、テレビに映る売れっ子を睨む主人公。 時は11時。27歳。酒とたばこに明け暮れる日々を自堕落に送る男。 音楽を志し、田舎から都会へ繰り出した末路。 この描写が、なんとも悲壮で、リアルで、辛くなります。 また非常に共感できる仲間とのドラマがあり、現実はこんな感じだよな、と再認識した感があります。 彼が音楽に捧げた情熱の一端が、短く濃く綴られています。 ぜひ読んでみてください。 そして、彼の思いを、感じてみてください。 きっと、何かが残るはず。 レビューいいね! 2 2020年8月29日 17:31