旅果て

シェンマオ

第1話

船が完成した。

それもただの船ではない。宇宙船だ。


自由に宇宙を旅する事が出来る大変な代物だ。

早速、私はこれに乗り、一人で出掛ける事にした。


轟音と、莫大な量の白煙を伴い、私は宇宙へ飛び出した。

なるほど、ガガーリンの言葉は間違ってなかったらしい。バックミラーが物語っている。


私は速度を上げた。既に、我が故郷は豆粒ほどの大きさにまでなってしまった。

私はこのまま、宇宙の果てを目指す。

そして、「果て」を眺めながら、持ってきたインスタント・コーヒーを啜り、静かに死を待つ。それこそ私の求めていた人生であり、散りようだ。


見た事もないほど珍妙な星々を通り抜け、遂に私は辿り着いた。「果て」だ。


しかし、驚いた事にすぐ近くに我が故郷が見えた。少し近付くと、やはりそうだ。間違いようもない、「地球」だ。


何故だろう、私は疑問を抱いた。

同時に私は一つ「」を理解し、コーヒーを啜る間もなく絶命した。


神様は随分と、秘密主義らしい。

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旅果て シェンマオ @kamui00621

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