第7話 始まりの朝
アラームとは違う機械音が叩き起こすように耳の奥で鳴り響く。ポコンポコンポコンと間抜けなリズムを刻むそれは、朝が弱い水希にとっては不快なものでしかなかった。
「うあ……なんだよもう……」
外はまだ暗い。目を細めながらスマートフォンを開くと、時刻が確認できないほどの通知で画面が埋め尽くされている。それらは全て動画サイトのものだった。
「え……」
嫌な予感がし、水希は飛び起きる。
眠気は一瞬にして去り、代わりに冷や汗が体中から噴き出した。
「水希ぃ……? どしたあ」
隣で眠っていた母は、半分体が布団からずり落ちていた。水希は母が生きていることに安堵しながらも未だに通知が鳴り止まない携帯を見て呆然とするしかなかった。
『某動画から飛んできました』
『これがエニアの
『異国感やばいな。てかエニアの主ってこんなイケメンなの……』
『これ嘘だろ。日本大変な時に何やってんだよ不謹慎』
昨晩下書きに残していたはずの動画は、手違いで全世界に公開され、そしてあろうごとか多くの人たちに拡散されていた。
リバース・ワールド 江乃 @otoeno
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。リバース・ワールドの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます