第4話 学園編4

「穏やかではないですね?」

「悪いな。ただまどろっこしいのも嫌いでな。詳しい話を聞いてくれるか?」

「うーん、、、」


なにか厄介な話であることは想定していたがこれはまた即答するのが難しい話がきたな。。。しかもまったく話の内容が想像つかない。ドゥニ・カラックスといったこの先輩のことも全く知らないので背景も含めて手元の情報が少なすぎる。勿論生徒会長や上流貴族の子弟などの学内有名人はある程度把握しているがこの人は学園内ではそこまでの大物ではない。


「急いでいるんですか?」

「そうだな、急いでいる。本来であれば考える時間をあげたいのは山々なんだが。」

「期日がある感じの相談ですか?」

「具体的な期日はないが、遅れれば遅れるほどまずくなるタイプのやつだな。」


そりゃまた厄介な、、、これは腹を決める必要があるか。


「なるほど、わかりました。ちなみにその話を聞いて僕にメリットはありますか?」

「当然だ。まずはその商会自体の情報が手に入る。これはお前にとってもバートン商会にとってもメリットになる。」

「それはそうですね。」

「加えて今回の依頼が成功した場合にはその商会の空いた席を埋める必要がある。全部が全部バートン商会に回るわけではないと思うが、それなり以上に儲け話になると思うぜ。」

「それも理解できます。ただその2つだけでは少しメリットとしては弱いですね。」

「わかっている。3つ目のメリットだが、お前が立ち上げた部活に俺が入る。在学中は力を貸そう。これでどうだ?」


俺が立ち上げたのこともきちんと調べてきていたわけだ。これは決まりだな。


「わかりました。いいでしょう。その相談聞きます。場所を変えましょうか。」

「ありがとう。そうだな、できればもう少し機密性が高い場所がいいな。学外でもいいか?」

「構いませんよ。」


そして数分後。俺たちは学外のとある喫茶店でコーヒーを飲んでいた。


「良いお店ですね?こんなお店があるなんて知りませんでした。」

「良いだろ?店の雰囲気もいいし、コーヒーもうまい。そして路地裏のおかげで人も少ない。店長とも知り合いでな。この端の席なら話が漏れることもそうない。」

「確かに。ではそろそろ話し聞きますよ。」

「おう、サンキュー。その前に確認なんだが、お前は帝都の商会についてどの程度知っている?」

「大規模商会の名前と主な取り扱いの品・得意分野ぐらいですね。あとはそのバックにどこの貴族がついているか?とか。」

「なるほど、なら一通りは大丈夫そうだな。背後の貴族同士の派閥や抗争は知っているか?」

「いえ、そこまでは踏み込んでいません。僕はあくまで事業に関心があるので。」

「わかった。ならその辺りも含めて説明するか。。。今回お前に相談したかったのはシーニン商会のことだ。」

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異世界で新規事業をはじめます けーぷ @pandapandapanda

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