仕事に趣味に友人に、それはなんてことのない日常の光景

 一人暮らしの社会人女性が、『公』と『私』の棲み分け使い分けに思い悩むお話。
 具体的には身だしなみのお話。もともと個人的には何もしないで出かけても平気なところ、でも職場ではさすがにと気を遣って身だしなみを整える、その手間を「まだやってんの」と友人から言われて悩んでみたり、と、大体そんな筋のお話です。
 自分でレビュー書いておいて言うことではないのですが、正直書けることがありません。とりあえず読んでみて短いから! と、それが精一杯というかたぶん最適解です。つまりはネタバレしないようにということでもあるのですが、でも余計な先入観や予備知識がない状態で読むのが、きっと一番面白い作品じゃないかと思うので。
 というわけでせめて一太刀、非常にざっくりふんわりした感想だけ置いておきたいのですが、非常に丁寧に描かれた作品です。特に情報の出し引きというか、伝えるべき内容を伝えたり隠したりするその仕込みのようなもの。自然にするする読ませたり逆に「ん?」と引っかかる感じを与えてみたりと、その辺りの工夫が細やかで、それらがコンパクトな物語の中で綺麗に作用していく、美しい構成の物語でした。
 主人公がぽっちゃりなところが好きです。どの程度ぽっちゃりなのかついつい想像してしまうところも含めて、なんとなくほっこりする設定でした。

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