【恋を知らない『わたし』と愚かで愛しい人間たち】
ボンゴレ☆ビガンゴ
【恋を知らない『わたし』と愚かで愛しい人間たち】
人間のふりをして『わたし』は生きている。
人間のふりをして、笑ったり泣いたりする。
だが恋はしない。必要ないからだ。
【恋を知らない『わたし』と愚かで愛しい人間たち】
父である
父である
人間のふりをして成長する中で、
それは孤独からの解放であった。精神世界の安寧であった。
そうして
『わたし』は今後、この
そのため、『わたし』は
もちろん、『わたし』は自らの同期体同士での生殖も可能だ。しかし、これからの『わたし』の
『わたし』はすぐに人間社会に紛れて生活している多くの『わたし』と情報を同期した。
『わたし』は世界中に同期体を忍ばせている。人間が作った社会の至る所に『わたし』は存在している。
そしらぬ顔で、たった一人で生きてゆかねばならぬ脆弱な人間に擬態をして人間社会に寄生しているのだ。
『わたし』はすぐに理想に合致した男の人間を探し当てた。
その男の人間の名は
母親の他にも佐治流星の近くには無数に『わたし』がいた。
その中で、もっとも近しい存在は
そんな
どんな社会環境に置かれても、「まあまあ」「そこそこ」「過不足なく」やっていける適応能力を有していた。
劇的な場面に出くわすことはなく、人生の勝ち組と呼ばれることや億万長者になる可能性は皆無で、平凡な一生を終えることは間違いないが、確実に良質な『種』をまくことができる才能を持っていた。
人間達に存在を知られることなく慎重に増殖を続けなければならない『わたし』にとって、どんな環境でも平凡に社会に紛れる才能を持っている佐治流星は理想的な性質を持つ男の人間なのだ。
『わたし』は同期体を駆使し、佐治流星を
首尾良く二人を同じ高校に進学させた『わたし』は、さらに
すべては順調だった。
「おーい、流星! 昼飯食おうぜ。あ、今岡さんも一緒にどう?」
四月の前半。クラスに固定のグループはまだできておらず、
人間への擬態を始めた当初は苦手だった複雑な感情を表す仕草も、今ではもう完璧だ。
「ああ。飯ってみんなで食った方がうまいもんな!」
「うん。今岡さんも一緒に食べよう」
佐治流星は嫌味のない笑顔で言った。
『わたし』は佐治流星の行動パターンもよく知っている。母である
佐治流星と向き合い、あらかじめ用意していた話題を出そうとした。
その時だ。
「あれー。今日は穂波ちゃんも一緒? わーい、実はわたし穂波ちゃんとおしゃべりしたかったんだぁ」
女の人間が笑顔を振りまいてやってきて空いている机に軽やかに腰掛けた。女の人間の名は城ヶ崎凛子。
城ヶ崎凛子は本人どころか両親ともに、一人で生きてゆかねばならぬ脆弱な人間なのだが、城ヶ崎凛子は明るく活発で人間社会の中でも目立つ存在で、男の人間からも密かに人気があった。
幼なじみでなければ、顔も勉強もそこそこで、人付き合いもそこそこ、派手な趣味も特技もない佐治流星と一緒にいるようなタイプではない。
しかし、彼女は多くの愚かな人間達とは違い、佐治流星という男の人間に対して肯定的な印象を持っていた。
大体の愚かな人間達は、佐治流星のことを「つまらない普通のやつ」「どこにでもいる平凡なモブキャラ」と評価しているのにかかわらずだ。
「ねえ、穂波ちゃん、一緒にごはん。いいでしょ?」
笑顔で言われた
「んー! やっぱり穂波ちゃん可愛いよね。わたし入学式の時からずっと思ってたんだよー。でも席も離れているし、喋るきっかけがなくてさ」
もふもふした小動物でも見るような瞳で城ヶ崎凛子は目を細めた。
「そんな、城ヶ崎さんみたいな綺麗な人に可愛いなんて言われたらなんて返せばいいかわかんないよ」
この手のタイプにはまずは戸惑いとベタな褒め言葉をちらつかせれば警戒心や苦手意識は持たれまい。経験からくる直感でそのように反応をして見せると、城ヶ崎凛子はますます嬉しそうに、まるでゲージの中のハムスターでも見るかのようなだらしない表情になった。
「もー! 何この生き物可愛すぎ!!」
城ヶ崎凛子は
「ったく、凛子には気をつけなよ今岡さん」
「あっ、何よ。正和の方が危険人物だかんねー、穂波ちゃん」
城ヶ崎凛子は、大きな瞳で
「えっと、あの、みんなと仲良くなれたら、嬉しいよ」
「もー。穂波ちゃん可愛い! 持って帰りたい!」
だが、
城ヶ崎凛子は
「ねえ、ライン交換しよ〜、で、放課後、駅前のシュークリーム屋さんに行こ? すごくおいしくて穂波ちゃんもきっと気にいると思うんだけどっ」
スマホを出して連絡先の交換をせがみ、キラキラした瞳で
女の人間に擬態している
「ったく、相変わらずだな凛子は。そんなに抱きついてちゃ飯も食えねえだろ」
「ったく、流星もなんか言ってくれよ」
せっかく
「ともかく、ごはん食べようよ。ほら凜子も机じゃなくて椅子にちゃんと座って」
佐治流星は害のない顔で微笑んで、お弁当の包みを開いた。
「あ、流星のお弁当、唐揚げだ! 一個も〜らいっ!」
ささっと箸を伸ばして唐揚げを取ってしまう城ヶ崎凛子。
「あっ! もう楽しみにしてたのにー。代わりに玉子焼きよこせよ」
佐治流星は怒ってるような笑っているような顔で城ヶ崎凛子の弁当に手を伸ばす。
「嫌よ。楽しみにしてんだから。トマトならあげる」
「ちぇ、相変わらずわがままなんだから……」
舌打ちをしながら、プチトマトを貰った佐治流星は、それでも少し嬉しそうな顔をした。
その表情は
『わたし』はなぜだか心が痛むような感触を覚えた。
二人のやりとりが
複雑な心境を同期したまま
「あっ! ウケる! お弁当食べる動作、穂波ちゃんと正和、動きが完全にシンクロしてんじゃん」
城ヶ崎凛子に笑われて、『わたし』は慌てて動きを分けた。
『わたし』は意識せずとも別々の個体を個別に動かし考えることができる。が、アクシデントが起きると時折、動きが同一化してしまうこともある。
「たまたまだよ。ね。今岡さん」
「う、うん。なんか照れるね」
それぞれに会話をさせて場の空気を変えようと試みる。
「そうかな、案外二人って相性いいのかもね」
佐治流星に笑って言われて、
この時、なぜ『わたし』が近くにいる二つの同期体の行動を同一化させるというミスを犯したかというと、原因は『わたし』が
それは、佐治流星と城ヶ崎凛子は両片思いである。ということだ。
佐治流星と城ヶ崎凛子は数年前から互いに好意を寄せながらも、それを言い出せずにいた。
数多くの体を持ち多角的な視点で物事を見ることが常である『わたし』にとっては、自分の意見を隠したり強がったりすることは大きな目で見れば無意味でありメリットが少ないことを認識している。
伝えたい気持ちを隠したまま何年も心に秘めておくということがない『わたし』にとって、愚かな人間のそれは非常に興味深いものなのだ。
二人のすれちがいは、たった一人で生きてゆかねばならぬ脆弱な人間だからこそおこる現象なのだ。
ただ、『わたし』のような存在から見ていても、この二人には互いに告白のチャンスが何度もあったと思う。
中学時代の修学旅行。受験勉強の最中、卒業遠足の遊園地。
もし、
だが、
『わたし』自身、
この二人の愚かな人間は結ばれるのか、結ばれないのか。
『わたし』は
とはいえ、『わたし』が
『わたし』は
初めて
手始めにこの二人の恋を破っておかねばならない。
高校入学から二ヶ月が経った。予定では佐治流星は城ヶ崎凛子に愛想を尽かし、そろそろ
……しかし、現状はまったく予想に反していた。
だが、そうはいかなかった。『わたし』は城ヶ崎凛子と佐治流星のもどかしいやりとりを間近で見れば見るほど、二人と共に時を過ごせば過ごすほど、あの口下手で愚かな人間達の拙く繊細で虫が這うようにしか前進しない恋模様が気になって気になってどうしようもなくなってしまったのだ。
これまでは男の人間の擬態である
二人のもどかしさは苛立つ。だが、この先の展開が気になる。
まるで少女漫画に夢中になり宿題を忘れる愚かな人間の少女のように、『わたし』は佐治流星を
この星で人間に擬態して過ごしてきた長い期間で、こんなに人間の恋模様に興味を持ったのは初めてだった。
例えば、急な夕立の日、傘のない佐治流星に城ヶ崎凛子が折り畳み傘を差し出し並んで帰った日があった。濡れた肩を寄せ合い、親のいない佐治流星の家で城ヶ崎凛子はシャワーを貸りたのだ。
また、別の日、マラソン大会で捻挫した城ヶ崎凛子を佐治流星が背負って保健室に連れて行ったこともあった。保健医が急用で席を外していたため、佐治流星が城ヶ崎凛子の靴下を脱がせ、湿布を貼った。
二人はそんなことがあるたび、顔を赤くして、少し黙って、喉のすぐそこまで言葉が出て、しかし、あと一歩が踏み出せなくて想いが伝えられないのだ。
そんなことばかりなのだ。愚かな人間め。
城ヶ崎凛子は
佐治流星は
別の角度から語られる二人の愚かな人間の恋は非常に『わたし』の心を揺さぶった。
これが恋というものなのか。
二人の行動は非常に興味深かった。
『わたし』は恋をしない。生殖のためにつがいを求めるだけだ。地球人に擬態している『わたし』が子孫を残すためにはそれがもっとも効率的な方法だと信じていた。
しかし、『わたし』と違い、たった一人で生きてゆかねばならぬ脆弱な人間は、その性質ゆえに、愚かにも恋をする。むず痒く、時にイラつき、恥ずかしくて顔を覆いたくなるほどの恋をするのだ。
この城ヶ崎凛子と佐治流星の恋は見ていて大変もどかしい。だがそれ故に応援したい。行く末を見届けたい。今まで感じたことのない思いが、全『わたし』からどしどし溢れてきていた。
佐治流星も城ヶ崎凛子も今までの関係性が壊れるのを恐れて互いに一歩が踏み出せないでいた。よく観察すれば相手が自分をどう思っているかなどわかりそうなものなのに。
「凛子も誰かと付き合ってみれば良いじゃん」
佐治流星はそんな思ってもないセリフで城ヶ崎凛子をヤキモキさせる。愚かだ。
「流星みたいなズボラなやつと付き合える人なんてそうそういないだろうね」
自分はそのひとりだと伝えれば良いのに、城ヶ崎凛子はそれができない。愚かだ。
愚かすぎる人間の様子を観測していると、苛立ちながらも『わたし』は人間の恋に魅了され始めていることに気がついた。
恋というのは、もしかしたら、少しは良いものなのかもしれない。
人間のふりをしてきた何百年の間に、なぜ気づいてこなかったのだろうか。
恋ができる人間が少しだけ羨ましく感じた。
四人(実質三人)でテスト勉強をしてみたり、動物園に行ってライオンに餌をあげてはしゃいでみたり、ミニテストの点数でカラオケ代金を賭けたり。
こんな予定じゃなかったのに『わたし』は 四人(実質三人)でいることを愛しく感じた。
「別にあいつのことなんか、なんとも思ってないよ。でも、わたしっていつも流星のお弁当からおかず貰ってるし、お返しに、たまにはわたしがお弁当作ってってあげても良いかなって思っただけだし!」
雑貨屋のごちゃごちゃした店内で城ヶ崎凛子が顔を真っ赤にして声を荒げた。
先日、城ヶ崎凛子は佐治流星のためにお手製の弁当を持ってきた。唐揚げがたくさん入っていた。こそこそ
「本当にそれだけ? 流星くんのこと、なんとも思ってないの?」
「う、うん。全然。幼なじみの腐れ縁なだけだもん」
俯いてキーホルダーコーナーを指で突っついている。城ヶ崎凛子は自分の想いが露呈していないと本気で思っているようだ。まったく愚かな人間だ。
「じゃあさ、もし、わたしが流星くんのこと好きって言ったら応援してくれる?」
だから、ちょっと意地悪したくなる。
「……え?」
城ヶ崎凛子は固まった。思考停止状態。けど、すぐに目が動いて、
「そ、そんなの当たり前じゃん。穂波の恋なら応援するに決まってんじゃん」
また、そんな強がりを言う。
「嘘だよ。でも、凛子が本当に流星くんのことなんとも思ってないならさ。わたしの友達で流星くんの写真見て会いたいって女の子がいるんだけど、紹介しても良いよね?」
だから、また意地悪を言ってしまう。
「う、うん。別にわたし関係ないし……、断る権利ないし……」
しゅんってしながら、それでも強情に言う。城ヶ崎凛子。愚かだ。
「そ、それよりさ。穂波の方はどうなのよ。正和となんか通じ合ってる感があるけど、本当は好きなんじゃないの?」
「……は?」
見当違いすぎることをを言われて
「もし、だよ? もしも穂波が正和に告るんなら……わたしも考える」
「……はぁ!?」
その頃、
「なあ、お前、凛子に告っちゃえば」
佐治流星の操るドンキーコングのカートが急にスピンしたかと思うとコースアウトして谷から落ちた。
「な、なんだよいきなり。凛子のこと、そういう目で見たことないから」
動揺しすぎだ。まったく愚かである。どうして人間はこんなにも愚かで愛おしいのだろう。少し追い討ちをかける。
「そうかー。ぜったい凛子はお前のことを意識してると思うんだけどなー」
ドンキーコングがまた落ちた。
「なっ……、だとしても、俺は凛子と付き合うなんて、ぜんぜん考えらんないけどなっ」
「んだよ。じゃあ考えてみろよ」
「………………、むっ無理だよ」
「今ちょっとリアルな感じで考えたろ?」
「だー! もうなんだよ、正和こそ、穂波ちゃんのこと好きなんだろ、いっつもお前ら意味深な視線かわしてんじゃん。わかってんだぞ」
意外な佐治流星の観察力に
「お前がもしさ、穂波ちゃんにちゃんと告白すんなら、俺も……ちょっとは考えるけど」
どうやら、城ヶ崎凛子も佐治流星も、
「「いや、俺(わたし)穂波ちゃん(正和くん)とは、そういうの全然ないから」」
同時にそれぞれの『わたし』は苦笑した。
夏休みが始まって四人(実質三人)でお祭りに行って、海に行った。
そして、ついにその時がきた。
意を決して、というか厄介な応援団に背中を無理やり押される、みたいな形で、思いを打ち明けることになった。
……
意味が不明なのだが。
だが結論として、そのことがきっかけで城ヶ崎凛子と佐治流星も互いにとげが取れ、素直な雰囲気になって、ついに二人も交際を開始することになったのだから、とりあえずは合格点ではある。
「ねえ穂波。……正和とどこまでいった?」
「え? 聞きたい? もうエッチしたよ」
「まじ……?」
「ふふ、嘘だよ」
頭の上に手を乗せて戯けて見せると城ヶ崎凛子は抱きつくみたいに
二学期も終わりに近づき、街はクリスマス前のイルミネーションで溢れていた。
現在、おおやけには
もちろん、『わたし』が自分に対して恋愛感情を持つなどということがあるわけはないが、周りの目を欺くために敢えて手を繋いで下校したりしている。
もちろん、自分の手を自分で握っているようなものなので、ひとつもドキドキすることではないのだが。
「ああ驚いた。もー、変なこと言っておどかさないでよ」
わたしの頭をくしゃくしゃしながら城ヶ崎凛子が胸を撫で下ろす。
「ふふ、ごめんごめん。でももうすぐクリスマスだよ? 凛子もそろそろ準備したら?」
「……うー。考えてみる」
顔を赤らめて恥ずかしがる城ヶ崎凛子のほっぺが愛おしくて、指先を伸ばす。まだ若い女の人間の柔らかい頬に触れると
その頃、
「正和達、クリスマスってどうすんの?」
ズズズとスープを吸って、佐治流星がこちらを向く。
「まあ、デートする予定だけど」
「そのさ、正和なら知ってるかなって思ったんだけど。……ホテルとかって高校生とかって行けるんだっけ?」
少し声のトーンを抑えた佐治流星がぼそっと訊いてくる。
「ラブホ? まあ本当はダメだけど、別にバレねえから大丈夫だよ」
「そ、そっか……。お前達、もうそういうことしてんのか」
佐治流星は何を勘違いしたのか耳を赤くして言った。同年代の男の人間にしては佐治流星はウブである。
だが、それが
好意を伝えて交際を開始したのなら、性的接触は当然であろうに、それすら躊躇うのは愚かな人間特有の情けなさであり、優しさでもある。
佐治流星は男の人間の中では平凡な存在だが、それでも女の人間と比べれば体も大きい。もし性欲の処理を無理やりにでもしたいのなら、実行できる肉体も相手もいるのだ。仮に強引に迫ったとしても、城ヶ崎凛子はそれを拒むことはないだろう。
それなのに、言葉にも出せない。嫌われることを恐れて城ヶ崎凛子に迫れない。傷つけることを恐れて行動を起こせない。
情けない。愚かだ。しかし、それは優しさでもある。そんな佐治流星が『わたし』は嫌いではなかった。
城ヶ崎凛子と佐治流星の拙い交際を見ていると、お前達さっさと伝えたいことを伝えて、やりたいことをやれ、と叫びたくなる。
まったくもって人間は愚かだ。
『わたし』は人間ではない。この地球で生きていくために人間のふりをしているだけだ。だから、こんな未熟な人間の青春ごっこなどに構う必要はないのだ。
だけど、やっぱり、時々、人間は愛おしい。
ラーメン屋を出て、自転車に乗ろうとしている佐治流星の背中を見ていると、妙なことに『わたし』は彼に触れたい気持ちになった。
名を呼び、駆け出し、背中に飛びついた。
「うわー!なんだよ急にー!」
佐治流星が怒ったような笑ったような声で叫んだ。
『わたし』は耳元で囁いた。
「お前も、凛子とヤルってんならコンドームやろうか?」
「い、いらねえよ。自分で買うし。……でも、買う時一緒についてきてくれない?」
佐治流星が情けない顔で振り向いた。その顔はとても愚かで、愛おしかった。
そうだ。たった三年の高校生活だ。
『わたし』はたくさんいる。
もしかしたら、『わたし』がこの愚かな人間たちに持った不思議な感覚こそ「恋」なのかもしれない。
「ほーなみちゃん」
城ヶ崎凛子が甘えた声でアイスを食べている
「なに?」
「ピノ一個ちょうだい」
『わたし』はちょっと考えて答えた。
「キスしてくれたらいいよ」
城ヶ崎凛子はいつもの微笑みを携えて
「……愛してるぜハニー」
そう言って城ヶ崎凛子は
おしまい
【恋を知らない『わたし』と愚かで愛しい人間たち】 ボンゴレ☆ビガンゴ @bigango
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