夢で逢えたら

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猿女君(サルメノキミ)

  俺が初めて怪異に遭遇したのは中学生の時だった。


 まだ夏の暑さが残る9月の終わり頃。俺はメリーさんと出会ったのだ。


「わたしメリーさん。今、ゴミ捨て場にいるの」


 枕元のスマホが鳴り、こんな時間に何事かと電話に出てみると可愛らしい女性の声でそう言われた。電話はすぐに切られてしまう。時計を見ればまだ深夜の2時だった。


 次の電話はすぐにかかってきた。


「わたしメリーさん。今、コンビニの前にいるの」


 コンビニの前。

 そう言われて、俺の胸はざわついた。


 彼女の言うコンビニがここから最寄りのものだとすると、距離はかなり近い。メリーさんがこの家に到着するまで、それほど時間は残されていないということになる。


「わたしメリーさん。今、マンションの前にいるの」


 数分もしないうちにそんな電話がかかってきた。


 俺は慌てて玄関へと走る。玄関には父がどこかから買ってきたバラの入った花瓶が飾ってあった。


 俺は花瓶からバラを抜き、右手にしっかりと握る。玄関に正座してメリーさんを待った。


「わたしメリーさん。今、あなたの家の前にいるの」


 その電話の後、インターホンが鳴る。


 俺は素早くドアを開けたが、そこに彼女はいなかった。再度、スマホが鳴る。


「わたしメリーさん。今、あなたのうしろにいるの」


 スマホから、背後から声がした。


 俺は電話を切り、右手のバラを確認してから、後ろに振り返ってそのバラを彼女に差し出した。


「メリーさん! 俺、あなたのことが好きです! 付き合ってください!」


「……えっ」


 戸惑ったような彼女の声。

 しばらくの沈黙。


 俺の目の前には、フリル付きの白い服を着た西洋人形のような美少女がいた。彼女は困惑し、そして申し訳なさそうに眉を下げた。


「……ごめんなさい。さすがに中学生とは、ちょっと」


 そう言って、彼女は消えてしまった。

 俺の初恋はこうして終わったのである。



 俺はいわゆる幽霊や妖怪と言われる種族を愛していた。その性癖はうちの母さんが雪女だったことに起因している。


 俺の親父は雪山で、雪女と恋に落ちた。親父は何度も逢瀬を重ね、やがて俺は雪山の中で生まれたという。


 人間界で暮らすことができない母さんに、俺が初めて会ったのは小学生の頃だった。親父に雪山に連れていかれ、そこで俺は初めて母さんの顔を見る。


 初めて見た母さんは、この世の者とは思えないほど美しかった。

 お世辞ではなく、今までに見た誰よりも綺麗だったのだ。


 母さんを見たその日から、俺は『彼女にするなら幽霊か妖怪』と心に決めていた。


 しかし、恋愛対象が幽霊や妖怪となるとその成就は難しい。


 第一にそれらに出会うこと自体がまれだし、仮に出会えたとしても彼らへの正しいアプローチの仕方なんてわからなかった。


 チャンスを逃すまいと必死にアプローチをすれば、引かれて消え去られてしまうのがオチだ。その結果、現在26人もの幽霊や怪物に俺はフラれている。


 おかげで20代後半の現在でも、俺は人間にはモテる容姿でありながら童貞を貫いていた。


 だがそんな俺にも最近、ようやく春がやってきたようだ。


「まもなく電車がまいります。

 電車に乗ると、あなたは恐ろしい目に遭います」


 しゃがれた男の声で、アナウンスが響く。


 気が付くと俺は薄暗い駅にいた。周りには誰もいない。俺は一人で駅のホームの椅子に座り、電車を待っていた。


「……きたか」


 俺はこれがすべて夢だとわかっていた。

 現実世界の俺はベッドの上ですやすやと眠っていることだろう。


 しばらく待っていると電車がやってきた。

 ボロボロの車体だった。色は剥げていて、いたるところが錆び付いている。


 電車のドアが開き、俺はそこに乗り込んだ。


 車内は外装とは比べ物にならないほど清潔に保たれていた。俺以外の客は見当たらない。


 俺が車両の中央あたりに腰を掛けると、電車は動き始めた。


「次はオイルマッサージー、オイルマッサージでーす」


 ホームで聞いたアナウンスとは違う、若い女の声が車内に響く。


「……当たりだな」


 俺は思わずにやける。


「……え?

 何が当たりなんですか?」


 声がした方を向くと、貫通扉の開いたところで駅員の制服を着た女が首を傾げて立っていた。顔には猿のお面がされていて表情は窺えない。


 彼女の名前は『猿女サルメ』と言う。

 いわゆる、妖怪の類だった。


「……いや、猿女サルメさんのマッサージはすべて当たりだけど、オイルマッサージは特に好きで」


「あ、そうなんですか? よかった。気に入ってくれたみたいでうれしいです」


 声を弾ませながら、彼女は隣の車両からマットレスなどのマッサージに使う道具を運んできた。


 猿女は父の跡を継いでこの夢の中を管理しているという。彼女の父は狒狒ヒヒだった。狒狒ヒヒは、巨大な猿の妖怪だ。


 狒狒はこの夢の中に人間の魂を呼び寄せ、小人たちを使ってたくさんの人間の魂を奪っていたらしい。


 彼女はたまにその話をするのだが、狒狒が行ったと言うその行為の数々は、都市伝説で言われる猿夢と呼ばれるものと一致していた。


 夢の中で、狒狒は残虐な方法で人々を殺していった。


 猿女はそれを嫌がったのだが、狒狒の強大な力を彼女に止めることはできず、結局は狒狒が成仏するまで猿女は人々が殺される様を見届けることしかできなかった。


 だから今やっていることはせめてもの贖罪なのだと、彼女は言う。


 いままで父が傷つけた分、せめて自分が父の代わりに人々を癒そうとここでマッサージを行っているのだそうだ。


「どうですか? この辺、気持ちいいですか?」


 裸になって寝そべった俺の背中を、猿女が指圧しながら聞いてくる。


「……うん。最高」


 彼女の柔らかく温かい手が、俺の背中に直接あたる。それだけで俺は十分満足だった。


 この夢を見始めたのは、今月のはじめの頃。初めてこの夢を見たその日から、俺は彼女の虜になっていた。


 猿面をしていて顔はわからないが、その柔らかい物腰や声色が、俺の心を癒してくれる。なにより仮面をしているのがありがたい。


 幽霊や妖怪は、妖艶な美しさがある。その顔を見ただけで虜になってしまうことも珍しくはなかった。メリーさんに至っては声を聞いただけで惚れたほどだ。


 その点、猿女は仮面をつけていて顔が見えなかった。そのために俺は彼女に冷静に接することができていた。


 今までみたいに顔を見ただけで告ってしまうような失敗は、今回はない。


 もしかしたら、今回は本当に付き合えるかもしれない。童貞卒業も、夢ではないかもしれないのだ。ここは冷静にならなければいけなかった。


「猿女さんは、いつもこの夢の中にいて退屈にならない?

 一見した感じだと、電車の他に何もないみたいだけど」


 背中に手のぬくもりを感じながら、俺は彼女に聞いてみる。


「いえ。実は私、この夢を管理してるだけでずっとここにいるわけじゃないんですよ」


「そうなんだ」


「ええ。たまに人間の世界で買い物したりもしますし。……そうですね。特に本屋は好きです」


「へえ、本が好きなんだ」


「はい。時間を忘れて読んでしまいますね」


「俺も結構本は読む方かな。そういえば、あの本は読んだ?」


 本について語り合っていると、やがて電車は駅に止まった。


「……あ。そろそろ終わりの時間ですね。

 今日はお疲れさまでした」


 そう言って彼女はマッサージをやめてしまう。


「……あっという間だったな。

 もっと揉んでほしかったけど」


 そうは言ったものの、俺の身体の疲労はだいぶ癒されていた。


「あの……また、会えたりしますか?」


 電車から降りる時、見送ってくれた彼女に俺はそう聞いた。


「ええ。きっと、近いうちに」


 そう言って彼女は嬉しそうに目を細めた。


 次に猿夢を見たのは、その日からきっちり1週間後だった。


「禁断の恋って、憧れますよね」


 猿女は俺の背中をもみながらそう言ってきた。


「……禁断の恋? 例えば?」


「最近読んだ本だとロミオとジュリエットとか。身分違いの恋や教師と教え子の関係を描いた本も読みましたね。種族違いの恋なんて言うのも好きです。そういうの、なんだか憧れませんか?」


「へえ。そういうのが好きなんだ」


「だって、なんか燃えるじゃないですか。障害が多いほど二人の恋は燃え上がるわけですよ。そういうのって、現実じゃなかなかありえない話ですし」


「……確かに。

 でも、そういえばうちの親父と母さんは種族違いの恋だったな」


「えっ? そうなんですか?」


「うん。雪女と人間の恋」


「ええっ、すごい! じゃあ、お客さんは半妖なんですね。全然気が付きませんでした。何か能力とかは使えるんですか?」


「いや、まったく使えない。強いて言えば、幽霊や妖怪を呼び寄せやすいかな」


 そしてその呼び寄せる妖怪はなぜか女性が多い。しかし、余計なことなので彼女にそれは言わなかった。


「能力なしで襲われやすいですか。……それは困りますね」


「まあ、今のところは何とかなってるけどね」


「……じゃあ、私、お客さんがピンチになったら助けに行きますよ」


「……えっ? ほんとに?」


「ええ。チェーンソー持って助けに行きます」


「……それは少し怖いかな」


 電車が駅に停まり、俺と猿女はお別れの時間になる。


「そういえば」


 電車から降りる直前で、俺はつぶやいた。


「はい?」


 猿女が首を傾げる。


「俺と猿女さんが恋に落ちたら、それは種族違いの恋になるよね?」


 半妖と妖怪が完全なる種族違いと言えるのかは疑問だが、俺はそう口にする。


「……本日はありがとうございました。またのご利用をお待ちしてます」


 猿女はそう言って、俺を電車の外へと促した。


「……なんか他人行儀じゃない?」


「……いつも通りですけど?」


 その夜から、徐々に俺たちが会うペースは頻繁なものになっていった。


 最初は1週間に1度だったものが、そのうち週2に。

 週2から週3、週4と増えていき、最近はほぼ毎日のように猿夢を見るようになっていた。


 夢の中で、俺と猿女は急速に仲良くなっていく。


 客と店員のような関係から、友達のような間柄に変わり、今では互いの生年月日や好きな食べ物までスラスラと言えるほどになっていた。


「……あの。もしかして、彼女とかいます?」


 ある日の夢の中。俺の足の裏を指圧しながら、猿女はつぶやくように聞いてきた。


「……え? いないよ」


 俺は心の中で3秒数えてからそう言った。

 待ちに待った質問だった。


 これは彼女が俺に興味を抱き始めていることを示す質問だ。俺の心の中はお祭り騒ぎになる。


 しかし、こんな時こそ冷静にならなければならない。ここまで丁寧に距離を詰めてきたのだ。ここで焦ってぶち壊すわけにはいかなかった。


「じゃあ、好きな人は?」


 窺うように彼女は聞いてくる。


 ――――そう来たか。

 これはかなり繊細な質問である。


 『いる』と言ってしまうと、変な誤解を生む可能性があるし、『いない』と答えれば、「あ、私に興味ないんだ」と思われる危険性があった。


 俺は1秒間、脳をフル回転させ最適なアンサーを導き出した。


「……気になってる人は、いるかな」


 これが今の俺が出せる最大限のアンサーだった。これなら彼女の思考がどう転んでも後でカバーすることができる。


「その気になる人って――――」


『―———次の駅に停まります。お出口は右側になります。本日もご利用、ありがとうございました』


 彼女の質問は、彼女が声で録音されたアナウンスによってかき消された。


「……あ。今日はこれでもうおわりですね」


 彼女が少し寂しそうに言う。


「うん」


 俺は質問の続きが気になったが、彼女に聞き返す勇気が出ずにそのまま電車から降りてしまった。


 駅のホームから手を振って走り出す電車を見送る。猿女も車窓から右手を振り返してくれた。


 俺はその時に彼女の左手に握られていた文庫本がやけに気になった。


 ――――そしてその日から俺は、猿夢を見なくなる。


 1日、2日と猿夢を見なかったときは「珍しいな」と思う程度だったが、1週間、2週間と見なくなるうちに、俺は徐々に焦り始める。


 ……俺、何かしたか?


 もしかして俺、気が付かないうちに何かとんでもない地雷を踏んでしまったんじゃないか?


 ……それとも、まさか、彼氏ができたとか!?


 いくら焦ってもこちらからの連絡手段はない。


 猿女に彼氏ができたとしても、俺には彼女にその話を聞くことも、「実は俺も好きだったんだ」と今までの思いを伝えることもできないのだ。


 会いない日々は続き、猿夢を見ることなく一月が経とうとしていた。長い時間の中で、俺は猿女が自分の中でずいぶんと大きな存在になってしまったことに気づく。


 仕事が手につかない。楽しみにしていた睡眠も、ただの疲労回復のための味気ないものに変わっていた。ただ、毎日をこなすだけ。それだけの日々が延々と続く。


 ある夜。深夜の2時を回った頃だった。

 俺は布団の中で毛布にくるまりながら寝付けずにいた。


 目を必死につむってなんとか眠ろうとしていると、枕元のスマホが突然鳴る。


「……誰だよ、こんな時間に」


 スマホを見ると見覚えのある番号が並んでいた。


 ただ、その番号がなんの番号だったかは思い出せない。


 ……誰だっけ。俺はそう疑問に思いながらも電話に出る。


「もしもし?」


「わたしメリーさん。初めて会ったあの日から、いつもあなたが私の心の中にいるの」


「…………は?」


「わたしメリーさん。今ならわたし、あなたの気持ちに応えられると思うの」


 俺はスマホを耳から離し、画面に表示された電話番号をもう一度見る。


「これ、メリーさんの電話番号だ……」


 中学生の頃、メリーさんが俺に電話をかけてきたことがあった。

 俺はその時の電話番号をしっかりと記憶していた。


 俺の初恋の女性、メリーさん。

 彼女が今になってあの時の告白に応じると言っている。


 だが、俺の心の中にはすでに猿女がいた。

 彼女以外の女性と、今は付き合う気になれない。


 俺はスマホを耳に当てると、申し訳なく思いながらも彼女の誘いを断ろうとした。


「申し訳ないけど、今はメリーさんとは付き合えないよ」


「……え?」


「俺、大切な人ができたんだ。だから、今は無理だ」


「……わたし、いまあなたの言ったことが、理解できないの」


「ごめん。悪いけど――――」


 ドンッ!!

 ドンッ!!

 ドンッ!!


 大きな音に驚いて、俺はスマホを床に落とす。

 玄関のドアを、誰かがもの凄い力で叩いていた。


「ちょっと……! 誰だよこんな時間に!」


 俺は急いで玄関に走り、ドアを開ける。

 しかし、外には誰もいない。


「―———わたしメリーさん。今、あなたの後ろにいるの」


 俺の背後から女性の声が聞こえた。

 それと同時に、外側からドアが勢い良く閉まる。


 俺は恐る恐る後ろを振り返る。

 狭い廊下には、フリル付きの服を着た美少女が大きなナイフを持って立っていた。


「わたしと付き合えないというのなら、あなたを殺そうと思うの」


 メリーさんはうつむいたまま、一歩一歩、ゆっくりと俺に近づいてきた。

 外に逃げようと俺は必死でドアノブを回すが、謎の力でドアは開かなくなっている。絶体絶命だった。


「わたしメリーさん。ねえ、本当にわたしと付き合えないの?」


 メリーさんはそう言って、首を傾げる。


「……ごめん。本当に、無理なんだ。俺、こんなに人を好きになったの初めてなんだよ。だから、メリーさんの気持ちには、答えられない」


 嘘で誤魔化すこともできたはずなのに、俺は正直な気持ちを言ってしまう。


「……そう。じゃあ、バイバイ」


 メリーさんはそう言って、ナイフを振り上げた。


 その時だった。


 メリーさんの後ろから、けたたましいエンジン音が鳴る。


「―———次は八つ裂きー、八つ裂きー」


 聞き馴染みのある声が、廊下に響く。

 メリーさんは何事かと後ろを振り返った。


「お、お前は……!!

 グ……ギャアアアアアア!!」


 メリーさんの叫び声と同時に、彼女の身体は縦に真っ二つに切り裂かれた。彼女の後ろで、猿女がチェーンソーを振り回している。


「猿女……!」


 猿女はチェーンソーでメリーさんの身体をバラバラにしていった。


 しかし、いくらバラバラになってもメリーさんの身体から血は流れない。代わりに木片と布が床に散らばる。どうやらメリーさんの身体は木でできていたらしい。


「……もう大丈夫ですよ」


 メリーさんを粉々にすると、猿女は少し冷たげな口調で俺にそう言ってきた。


「……はあ。信じられないです。まさか、あなたがメリーさんに告白してたなんて」


 猿女は蔑むような視線を俺に向ける。


「いや、これは違うんだよ! 告ったのはだいぶ昔の話で!」


 弁解しながらも俺の顔はにやけてしまう。久しぶりに猿女に会えたことがうれしくて、顔が勝手に笑みを作るのだ。


 それを見て、猿女は気味悪がった。


「……なに笑ってるんですか?

 っていうか、その前に言うことあると思うんですけど?」


「あ……うん。助けてくれてありがとう」


「どういたしまして。じゃあとりあえず、このゴミだらけの床を片付けましょうか」


 木くずだらけの床を見て、彼女はそう言った。



 ほうきを用意し、2人で床に散らばったメリーさんの残骸を片付ける。


「あのさ。なんで最近、会いに来てくれなかったの?」


 俺は床を掃く猿女の背中に向かってそう尋ねた。

 

「別に。……ちょっと忙しかっただけです」


 そう言う彼女の後ろポケットからは、一冊の文庫本が覗いていた。気づかれないように、俺はこっそりとそれを抜き取る。


 彼女の持っていた本の表紙には「恋愛必勝法。大好きなアイツを虜にする方法」とタイトルが記されていた。本には一つだけ付箋がされている。俺はその付箋がされているページを開いた。


『距離が近くなってきたら、思い切って突き放してみよう』

『会えない時間が二人の気持ちを育てる』

『大好きな彼があなたを追ってくるかも』


 そのページにはそんな内容の文章が書かれていた。


「……あっ!? ちょっと!! 何見てるんですか!?」


 猿女が本を奪われたことに気づき、俺から本を奪い返す。俺は本を奪われた後も、そのタイトルに呆然としていた。


 ――――恋愛必勝法?

 ――――大好きなアイツを虜にする方法?


 それって……やっぱり、猿女には好きな誰かがいるってことか!?


 俺は動揺する。

 大好きなアイツって、誰だよ!?


「……ちょっと待って!?

 猿女、誰か好きな人がいるの!?

 それって、どこの誰だよ!?」


 俺が慌てながら聞く。


 すると猿女は「ちょっと鈍すぎませんか?」と、俺を笑った。(完)

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夢で逢えたら U @yamamura0224

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