&α たわしと手渡される光

「いつまで寝てるんですか。はやく絵コンテ完成させてください」


「はっ、ごめん寝てたわたし?」


「たわしみたいなこと言わないでください」


「たわし。たわし寝てました?」


「ばかですか。寝てましたよ。みんな画を描きたくてうずうずしてるんです。脚本も来てるんですから。はやくコンテ切ってほら」


「うへぇ」


「はい。鉛筆」


「ねぇ」


「はい」


「ここって、夢だと思う?」


「はい?」


「それとも現実?」


「どっちでもないですよ」


「えっ?」


「あなたが書き上げないと、作品は現実にならないんだから。だからと言って、あなたの頭の中にあるものは夢じゃないでしょ。存在してるでしょ。だからどっちでもないですよ」


「ごめん、たわしの頭ではなにいってるかわからないよ」


「たわし?」


「あっ、わたし。わたしの頭。またたわしって言っちゃった」


「もうなんでもいいですよ。じゃあたわしでいいです」


「たわし?」


「ここは夢でも現実でもなく、たわしです。はい消しゴム」


「ありがと。光源ちょうだい」

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rain fall 120720 春嵐 @aiot3110

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