血祭り茶会

晴れ時々雨

🦇

殺人鬼の家へお茶に招かれた。彼の家ではどのようなお茶を客に振る舞うのか興味があり、つい承諾してしまったが後悔はない。こうした好奇心を放置すると碌なことにならない。とにかく不眠に陥る。不眠は不食欲を招き生命活動に差し障りをきたす。それでこないだゾンビに間違われた。


やはり紅、茶、だろうか。

ホストが血に飢えた殺人鬼で、しかも凄腕ときている。二つ向こうの村はある少女を残して全滅したらしい。それはこちらとしても食料問題になりかねない。がしかし茶の内容が血液であるなら話は別だった。しかも私を誘うということは即ちそうであることを物語っている。


贅沢を申せば、その処女もとい少女とやらの血液が理想ではあるのだがそこは言うまい。

茶会は真夜中。彼も時間を割いて私に尽くしてくれる。ありがたい。私は昔信心していた十字架を握りしめ感謝しつつ手折った。

蝙蝠が鳴く。そろそろ時間だ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

血祭り茶会 晴れ時々雨 @rio11ruiagent

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る