この距離の移動にワクワクするのと同時に、どこか穏やかでない主人公の心情が気になりながらの旅の始まり。2001年当時を懐かしみながら拝読しました。
リトアニアやモンゴルなど日頃あまり知ることのない土地での体験は、興味深く読ませていただきました。主人公が通過していく国々の歴史、名所、生活、人々、主人公のその土地についての考え等々も、今までの旅同様読みやすくわかりやすく書かれ、とても楽しめました。
この旅は、人々と知り合い関わり合いちょっとハラハラさせられる若い主人公の旅だけではなく、主人公の心の内や変化も細かく描かれています。それもノンストップ・アクション4の魅力の一つだと思います。
最後に2020年時点とそれまでの20年近い出来事がまとめて書かれています。その内容にびっくり。
是非そこまで読んでみてください。
楽しい時間をありがとうございました。
タイトル、あらすじ、書き出し一行という変わった企画でレビューを書かせていただきました。(企画からのレビュー転載です)
書き出し一行はこちら
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「…えっと、その席は緊急避難口なので、もし英語が得意でなければ変わってもらえませんか、と言われています」
(引用)
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まず、タイトルから。これは放浪記なのだが、ノンストップアクションなのですよ。のんびり、気のむくままとは真逆の位置にある。したがってこれはスピード感のある物語なのだと想像できる。では具体的に、どんな想像をするのか。わたしは勝手にワイルドスピードのようなイメージを沸かせてしまう。どっちにしても、ハラハラドキドキする物語が展開されることが、期待できる。そして、この作品はシリーズ4作目であることがわかる。つまり、物語に厚みがあるという事だ。
あらすじを見ると、この物語には出会いと別れが来り返されるのだ、ということが分かる。旅をしているのだから、当然だと思うかも知れないが、疲れ果ててしまった、とあることからその出会いが”有意義”であり”得るもの”が多かったということが想像できる。何故ならば、簡単に別れられる相手ならばそこまで、心が疲れることはない。きっと、別れが辛かったからこそ、そういう出会いと別れを繰り返すことが心的疲労に繋がったのではないかと、考えられるのである。ただ、この疲れ果ててしまったは、直後の文にかかっている為、夢や目標を誰かと共有することにつかれたのであって、出会いと別れそのものには関係がない恐れもある。
だが、一人で旅に出ようとしているというところを見る限り、わたしはどちらの文にもかかっているような気がしてならない。
その後、主人公は新たな出会いを通して旅を辞める決意をするわけだが、それまでの物語では主人公が成長していく物語であるという事が予測できるのだ。
書き出し一行目はとても面白く、興味を引く。主人公は、何らかの理由で緊急避難口の席に座っている。どんな経緯でこんなことになっているのか。しかも、英語が苦手だったら変わってくれと要請されているのだ。”言われています”ということは誰かを通しての伝言の可能性も浮上する。冒頭一行目から、何が起きてこうなっているのか、好奇心を満たすためつい、先が気になってしまう作品であることは間違いない。
是非、あなたも主人公とともに旅をしてみませんか?
**P10でのレビュー
【P10の簡単な内容説明】
どんなに近い関係になったとしても、他人はあくまでも他人だ。
【P10について】
会話の中で語られるのは、価値観について。情景描写や街並みなども丁寧に描かれていることから、臨場感のある物語なのは間違いないが、注目したいのは主人公の心情や一緒に旅行をしている相手とのやり取りである。男性と女性の違いがよくわかる会話がとても印象的だ。女性が危険なのは、根本として男性が女性を性対象という目で見ており、同じ人間という視点では見ていないからだと常々感じている。ここでの会話では、女性側が主人公に対し”平等”を求めている。一旅行者として接して欲しいのであり、女として接して欲しいわけではないと言っているのだ。彼女の考えはとても正しいものではあるが、正しい=周りもそうであるとは限らない。主人公は、自分の偏見を反省しながらも、心の中で彼女の危うさを指摘している。どちらか一方が正しいというわけではなく、どちらの意見も頷けることから、読み手は今後の展開がとても気になってしまうだろう。
【これまでどんな内容だったのかを予想】
あらすじにある通り、疲れ果てた自身の心情や友人の言葉を素直に受け入れることの出来ない葛藤、孤独な一人旅に飛びだし、新しい出会いの中で少しづつ心情に変化が起こっていく様が、描かれているのではないだろうか?と想像する。
【この物語の先の展開を妄想】
主人公の出会いには、学ぶことが多いという事は想像がつく。たった1ページを開いただけでも、学ぶことが多く、自分もやってしまいがちな過ちに気づかされる。ここまで旅を続けてきた彼が、こんなにも学ぶことの多い世界から”やめよう”と決意するまでには、いろいろと考えさせられることが多かったのだろうと想像する。決意のその先はあらすじには書かれていないので、彼がどういう答えに辿り着くのかとても楽しみな物語である。この物語には、普段気づけなかった身近な問題に向き合うきっかけを得たり、旅本来の楽しみである”見たこと、聞いたことのない世界”と疑似的に触れ合うこともできます。実際に行ってみたいなと感じることもあるでしょう。それほどに魅力を感じる作品なのです。是非、あなたもお手に取られてみてくださいね。
フォローいただいたご縁で、この物語に出会いました。
1,2,3と読み、ようやく更新に追いつきましたのでレビューさせていただきます。
まずはなんと言っても、実体験に基づく描写力。国ごとにどんな違いがあるのか、そこで暮らす人々がどんな様子であるのかが、長すぎず、短すぎずにちょうどいい量で書かれているため、とても読みやすいものでした。
そこでの人々との交流や感情のぶつかりについても、やはりフィクションとは違ったものを感じ、まるで主人公に合わせて自分も旅をしているかのような感覚を持ちながら、じっくり読むことができました。
今後の展開を楽しみにしております。他の皆様も是非読んでみてください。