第12話
映画?
「映画の撮影って何?」
「不肖矢内瑠美、主演女優を勤めてまいりました、です」
「主演女優って? 矢内瑠美……聞いたことあるな。澪ちゃんが前に言っていた名前か」
「……やはり誠人さんはご存知ではなかったのですね」
あれ? 何時もに戻った。
「すみません、酔ったフリです。もしかして私が女優だって誠人さんが気づいてないかもって思った時、言わなきゃいけないとは思っていたのですが今まで言えませんでした。なので、酔ったフリをして伝えてしまいました。本当にごめんなさい」
「? なんで謝っているんだい、胡桃さん」
「だって、女優をやっていることを黙っていましたから」
「いや別に女優って悪い仕事でもないし、逆にみんなに憧れられたりして素晴らしい仕事なんじゃないかな?」
俺なんて家のゴミ売って生計立てているんだぜ。あれ、俺のほうがかなりヤバくないか?
「うふふ。やっぱり誠人さんは面白い人ですね。ところで本当に私のことは知らないんですか?」
ちょっと待て。ググるから。
「え~っと、
「わーわーもういいです!」
「え~なんで? 公開情報じゃん。音読しなければいいの?」
「イヤです。もう読まなくていいです。知りたいことがあれば直接伝えますから」
頬を膨らましている胡桃さんは素の方なんだろうな。可愛らしい女性だ。
「仕事のことはいいですよ。いや、一つだけ。くるみからくを取ってるみなの?」
「矢内は母の旧姓で、瑠美はおっしゃる通りでくるみから苦を取り除いて瑠美です。漢字は適当な当て字ですよ」
「へ~ そういう名付け方だったんだね。わかった、ありがとう」
「それだけですか?」
「うん。さっき言った通り仕事のことはいいんだ。それよりも俺は野々垣胡桃の方に興味があるんだけど、この後酒でも飲みながら教えてくれないかな?」
「! ど、どうしようかなぁ。そんなに知りたいですか? 仕方ないですね」
*********************
芸能界と一般人の恋なのてんやわんやの大騒ぎにするつもりでしたが、
どうにも続きが出なくなりました。申し訳ございませんがこれにて終了といたします。
登場した三組のカップルはそれはそれは仲良くいってますのでご安心ください。
柊木古道具店――家族を無くし絶望し無為な生活を送ると思っていたのに違っていた話 403μぐらむ @155
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