私、感度6500倍に肉体改造された上にクイズ大会に出て優勝するんですか!?

春海水亭

小説家になろうの利用規約的にはメスガキ羆の方が削除の可能性高そうよね

【前回までのあらすじ】


「まさか、スパイの正体が今をときめく女社長で女騎士、

 しかして、その実態はただのチンポ大好き淫乱雌だったとはな……」

「ちんぽ……ちんぽしゅきぃ……

 ファミレスのドリンクバーのココア出る機械の隣にちんぽいっぱい並べといて欲しい……

 蛇口ひねると精液出る感じにして欲しい……」

「クックック……年商8000億の女社長もこうなってしまえば、

 発言の頭の悪さがほんとすごいな……ほんとに頭悪くて若干引く。

 ファミレスにちんぽ置けるわけねぇだろ」


感度6500倍の肉体改造を受けた上、連日の調教によって、

最早ちんぽのことしか考えられなくなってしまった女スパイ社長騎士、姫。

果たして彼女の運命や如何に!



「ちんぽぉ……ちんぽぉ……」

官能の憂いを帯びた瞳が、一点にダビデ像の股間を見つめていた。

呼吸は獣のように荒く、熱に浮かされたようにその頬は紅潮している。

彼女の名は桃山姫、

今をときめく女社長にして女スパイ、そして女騎士である。

しかし、株式会社暗黒ブラックドラゴンにスパイに入ったのが仇となった。

彼女は警備員に捕らえられ、五感の全てが性的快感を得るように改造された上で

感度を6500倍に改造されたのだ。


元はと言えば、暗黒ブラックドラゴンの警備員はマッドサイエンティストであった。

しかし、不況の波はマッドサイエンティストにも容赦なく襲いかかった。

研究を続行できなくなった彼は

暗黒ブラックドラゴンに警備員として週5での勤務を行っていたのである。

その狂気の研究が姫を襲うとは夢にも思わなかっただろう。

マッドサイエンティストだって思わなかった。


「何故だ……俺のやりたかったことはこんなことじゃない……」

マッドサイエンティストには夢があった。

人間を次なる存在に進化させることである。

その技術をこんな淫猥雌豚を作るために利用されるとは――

誰しも夢を諦めなければならない時が来る。

マッドサイエンティストは背負った夢の死骸を埋葬出来ぬままに、

今日の日まで生き続けてきた。

その結果がこれだとするのならば、あまりにも残酷なことではないか。


涙に涙を重ねるマッドサイエンティストを横目に、

姫は容赦ない調教を受け続け――そして、

最早ちんぽのことしか考えられぬ淫乱雌と化したのである。


「なんでもするぅ……なんでもするからぁ……

 ちんぽぉ……おちんぽくださいぃ……」

淫乱雌と化した姫は、全身をロープでぐるぐる巻きにされた状態で

ダビデ像しかない部屋に閉じ込められていた。

ダビデ像とは理想的な成人男性の肉体の全裸の彫刻である。

その股間には慎ましいサイズの男性自身がぶらさがっている。


手は自由に動かすことは出来ない、ダビデ像はひどく慎ましやかである。

姫はただ、自身の中にある衝動を解放することも出来ず、

ただ悶々とすることしか出来なかった。


「随分、持て余しているようだな」

「あぇ……?」

ダビデ像しかない部屋に光が差し込んだのはその時である。

扉が開いたかと思えば、そこに立っているのは姫を調教した男、

裸一貫から富山ブラックをベースとしたブラックラーメンでのし上がり、

今もなお店舗を増やし続ける恐るべき男、

株式会社暗黒ブラックドラゴンの社長であった。


「お、おちんぽぉ……おちんぽ様ぁ……」

「いや、人をちんぽって呼ぶのは失礼だろ」

芋虫のように身をよじり社長に近づく姫、その目に映るものは股間部のみである。

社長は姫を抜き去り、部屋の中央部まで歩いていく。

何も出来ず身悶えする姫を見下すと、くふと笑った。

「仕上がっている……」

「ちんぽぉ……ちんぽください……」

「いいザマだ、ちんぽのためなら家族も殺すんじゃないか」

「殺しますぅ……父親だろうと、二番目の兄だろうと、

 ちんぽもらえるなら殺しますぅ……えげつないぐらいに殴り殺します……」

「そこらへんと仲悪いの?」

「復讐ついでにちんぽください……」

「欲求のストラックアウトやめなよ」

社長は咳払いをし、地面に転がる姫を見下した。

(女社長もこうなってはな)

そう考えると笑いが止まらぬ。


「まぁ、いい……これでちんぽのことしか考えられない淫乱雌が仕上がったというわけだ」

「はい……考えるのはちんぽのことだけです……

 部下の昇給や福利厚生は一切考えてません……」

「申し訳ない気持ちになってきたな」

まぁ良いと気を取り直すには嫌なことを聞いてしまった、

だが社長は深く息をし、気を取り直した。

「ちんぽのことしか考えられない……か、ならお前に相応しい舞台をくれてやろう」


社長が日に焼けたごつごつとした指を鳴らす。

鈍いパチリとした音が合図になったのだろう、

それと同時に、部屋そのものがエレベーターのようにせり上がっていく。

しかも部屋がとても文章では表現できないような異形の変形をしていくではないか。

異形の変形というのだから、

姫のいる部屋が、

クイズ番組の舞台めいた部屋に変化することになんらおかしな点はない。

気がつけば大量の観客に囲まれていることも、

気づけば姫が解答席に座らされていることも、何一つおかしいことはない。


鍛え上げられた褐色の肉体にスーツを纏い、

背の高いシルクハットを被った社長が高らかに謳う。


「では、ちんぽのためなら何でもするけど、

 ちんぽのことしか考えられないアナタのためのクイズショー!

 クイズ・ちんぽの時間!」

「なにっ!?」

「何を隠そう、

 俺は感度6500倍に改造されちんぽのことしか考えられなくなった女が

 ちんぽのために無い知恵絞ってクイズに挑む姿にしか興奮出来ない男」

「その性癖の尖った部分で私を貫いて欲しい……」

「ちなみにクイズに不正解した場合は感度が通常に戻り、

 調教された肉体もいい感じに元に戻ります」

「……なに」

「ここでクイズを受けなければ、不正解した時と同じよ」

ピンポンと小気味の良い音を立てて、姫の解答者席の照明が点灯した。

「ごたくはいい……始めようか」

「この時点で早押しされるの初めてだな」


「では、第一問!」

「……来い!」

「Hになればなるほど硬」

「ちんぽ!」


女騎士、桃山姫。

何故、現代日本に女騎士というサブスキルが存在するのかはわからない。

だが、その超戦闘能力はこの瞬間に発揮された。

その手の動きはテレビカメラすらも捉えることは出来なかった。

しゃおんという風を切る音だけがスタジオに響き渡り、

ただ解答ボタンが押されることで発された「ぴんぽん」という音だけが、

正規のやり取りに則って、解答されたことを示していた。


「ちんぽ!ちんぽ!ちんぽ!ちんぽ!」

「いっぱい言えば正解になる奴じゃないよ」

「ちんぽ!ちんぽ!ちんぽ!ちんぽ!ちんぽ!」

「あ、違う聞こえてないわけじゃないからね、ちんぽって言ってるの聞こえてるよ」

「ちんぽ!」

「ダメ押しみたいなシステムも無いからね、じゃあいいです……正解で」

「よっしゃあ!」


異常なるやり取りがあった。

その言葉のやり取りに意味があったわけではない、

ただ姫はひたすらに熱量で以て社長に襲いかかり、

どうとでも解釈できる問題に対し、根負けした社長が正解を与えた。

クイズと言うにはあまりにも荒々しい魂のやり取りであった。


「……姫」

「大丈夫でヤンスか?八王子さん?」

観客席にて姫と社長のやり取りを見守る異質なる二人がいる。

他の観客には愉悦の視線があったが、この二人には明確にそれ以外のものがあった。

姫の婚約者である八王子エイトプリンスとヤンス君である。

「確かに、彼女はちんぽのことしか考えられない淫乱雌豚脳になっている」

「アナタ許嫁に対して酷いこと言うタイプなんでヤンスね」

「しかし、彼女は元クイズ王でもある……きっと、このクイズを正解するだろう」

「正解して欲しいでヤンスか?」

「婚約者の負ける姿が見たくない……僕に言えるのはそれだけだ」

「ちんぽに負けてるのはノーカウントな人なんでヤンスね」


観客席のやり取りなどつゆ知らず、

姫、そして社長。運命の二問目へと挑む。


「路面電車……」

「ちんちん!ちんちん!ちんちん!ちんちん!ちんちん!」

「問題を」

「ちんちん!ちんちん!ちんちん!ちんちん!ちんちん!」

「……はい、ちんちんが正解です。ちんちん電車です」

「っしゃあ!」


今ここにあるのはクイズではない。

意志が衝突する戦いであった。

ちんぽのことしか考えられない女をクイズ番組に出して興奮する男、

ただひたすらにちんぽを求め、ちんぽのことしか考えない女。

魂に熱量があるとしたのならば、

女の熱量は間違いなく問題をもねじ伏せてみせたのだろう。


「さすがでヤンスね……姫様……」

「あぁ、だが……下劣だな」

「どういうことでヤンスか?八王子様」

「つまるところ、正解をちんぽとかちんちんにして、辱める……

 それだけが男の目的なのだろう」

「成程」

「許せねぇでヤンスね、それは」

「結局このクイズも奴にとっては姫を手篭めにするためのものでしかないのだろう」

「ヤンス~~」


観客席で憤慨する二人を横目に、無情にも三問目が始まろうとしていた。

社長が三問目を読み上げる――その瞬間、姫が口を開いた。

刹那の時を掻い潜り、姫がちんぽと叫ぼうとしたのだ。

だが、どん底から這い上がった社長も只者ではない。

如何様にも解釈されるがために、ちんぽが正解になってしまった。

であるのならば、どうやってもちんぽが正解にならぬよう、

問題をいい切るしか無い。


この瞬間、社長は限界を超えた。すごい早口で言ったのである。

「日本で90番目に高い山はどこ!?」

「ちっ……」

言い損ねたちんぽが舌打ちに変わった。

問題が言い切られてさえいなければ、ゴリ押しでちんぽを正解に出来ただろう。

だが、この答えをちんぽにすることは出来ない。

そして、クイズ王としてあらゆる知識を有する姫であるが、

今はちんぽのことしか考えられぬ。

つまり、この問題の答えを答えることは出来ないのだ。


「違ったでヤンスね」

「…………」

「普通にクイズ出してきたでヤンスね」

「…………」

「ねぇ」

「…………」

八王子もまた、ヤンス君の問いに答えることは出来なかった。


「くく……ハーッハッハッハッハ!!!」

絶望する姫の表情を見て、社長は高らかに笑った。

ちんぽのことしか考えられぬ女を仕上げた上で、ちんぽ以外の知識を要求する。

どうあがいてもちんぽを得ることは出来ぬ女の絶望。

それは社長にとってお客様の満足に唯一匹敵する喜びであった。


「白山」

「なに!?」

「正解は白山だ……続けろ、ちんぽクイズをな」


だが、絶望したのは社長であった。

何故、姫がこの問題に正解できたというのだ。

その答えがわからぬまま次々に問題は正解されていき、

とうとう最終問題へと突入していった。


「……けどわからないでヤンスねぇ、なんで姫様は正解できたでヤンスか?」

「まだわからないのか?ヤンス君」

騒然とする観客席の中で八王子だけは満足そうに頷いていた。

「ちんぽのことしか考えられない……だが、ちんぽのことは考えられるんだ」

「けどクイズの答えは白山や牛タン、忍者などちんぽは関係ないでヤンスよ?」

「……二進法だよ」

「二進法!?」

「ちんを0ぽを1として扱う、例えば2を表すならば、ぽちんだ」

「……まさか!?」

「そうさ、

 彼女は自身のニューロンネットワークにちんぽのことだけ考えてアクセス、

 クイズ王としての知識を存分に活かして、

 ちんぽのことだけを考えながらクイズに正解したんだ」

「す、すごいでヤンス~~~~!!!」


ぜいぜいと息を吐き、睨みつけるように社長は姫を見た。

それに対し、淫蕩なる潤いで以て姫は社長を見つめ返した。

舌なめずりで唇を湿らせ、姫は笑った。


「さぁ、最後の一発出してみて……」

「ク、クソが……」

「正解し、ちんぽを貰って終わりだけどね……」


社長には姫が吐き出す桃色の息が見えるようだった。

最早、姫は社長の上位に立っている――ちんぽのことしか考えられないというのに。


「さ、最終問題……最終問題はァァァァァァァ!!!!」

「来い」

社長は最後に出すはずであった問題文を破り捨てた。

満面の桜の下で花びらが舞うように、答えを失った問題が宙を舞う。

だが、それは社長が戦いを諦めたからではない。

社長の瞳には明確なるプライドの炎が燃えていた。

とっくにそうなっていた、だが社長だけが気づけない――いや、気づかないフリをしていた。

あらゆる障壁を破壊し、姫はちんぽを求めて戦った。

だが、社長は用意された問題文を読み上げるだけで、それ以上をしなかった。

全てをかけて、戦わなければならない。

このクイズ勝負はとっくに意志の戦いになっていたのだ。


「人生の意味、その答えとはなんだァ!!」

社長にもその答えは出ない。

だが、その答えをちんぽのことしか考えられない姫に出せるわけがない。

一介のクイズ人として、解のない問題を出してしまえば終わりがあるのみだ。

社長は姫の失敗を見届けて、死ぬ覚悟を決めた。

クイズ人としては終わっても、プライドだけは守り切る。

勝利を抱いて死ぬのだ。


「ちんぽ!」

その叫びに一切の迷いはなかった。

「バカめ!不正解だ!」社長はそう高らかに叫ぶつもりだった。

だが、言葉が出ない。

あまりにも真っ直ぐな淫乱なる瞳が社長を見つめていた。


「未来へ、ただ繋いでいく……それが答えだ」

「…………」


人生の意味、それに答えなど出せるわけがない。

だが、姫はしっかりと言い切った。

社長には不正解であると言えなかった。

ただ、黙って頷いた。


「……正解だ」

「……ああ」


人生の意味、それは人間の数だけ持つものだろう。

10人いれば10人の、1万人いれば1万人の答えがある。

はっきりと胸を張り、しっかりと言えることが出来るのならば――

このクイズは意志の戦いだ。

ならば、はっきりとチンポ大好きな淫乱雌と言い切った姫に、

クイズ人を止めた社長が勝てるわけがなかったのだ。


「いい勝負だった」

八王子が拍手を送る。

波紋のように観客の拍手は広がっていき、観客席から拍手の雨が降り注いだ。


「どうか僕も、その答えに混ぜてくれないか!」

観客席からステージに飛び降りた八王子に、姫はニッコリと笑顔を返した。

「俺も行くぜェーッ!」

「人間の人生の答えって奴!俺も出してみたいぜェーッ!」

ステージに上っていく観客たちを見て、姫と社長は顔を見合わせてニコリと笑った。


「よし!じゃあ!皆でいっちょヤってみっかぁ!」


人生には数多の苦難がある。

だが、彼らはこの瞬間だけは――何もかも忘れ、ただチンポのことだけを考えたのだという。


【終わり】

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私、感度6500倍に肉体改造された上にクイズ大会に出て優勝するんですか!? 春海水亭 @teasugar3g

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