思うがままに我がままに

　拝啓、親父殿

　二十年、目の上のたんこぶであった愚息は今日限りで消えてなくなります。

　クソくだらねぇ決まりに縛られ、アンタの悩みの種だった後継者問題も晴れて解決。
　相応しい相応しくないは置いておくとして、次期皇帝はやりたいばっかのクソデブにでも継がせやってくれ。

　まぁ、今後この国がどうなるのかは知ったこっちゃないが、他ならぬやる気に満ち満ちた愚弟が背中を押してくれやがったんだ。
　せっかくの好意は受けとらんといかんよなぁ、クククッ。

　一応、礼だけは言っておく。二十年育ててくれた事には感謝する。
　だが、俺の生きる場所はここじゃあない。

　俺は、俺の欲する自由を求める。

　じゃあ、達者でな。


　　　　　　　アンタの息子だった者より