第2話
「近江先生、少しお痩せになりました?」
朝から軽くセクハラを受けつつ、パソコンと睨み合う。
昭和という言葉が最早化石化され、私のようなコンピュータの類を扱えない者への風当たりは強い。
どれくらい強いのかというと、デスクに13枚ほどパソコン教室のチラシが置いてあるくらいだ。
知らぬ間に置いてあるものだから大して気にも留めていなかったが、流石に多いということで数えてみたら軽く10枚を超えていた。
気味が悪い気もするが悪意は無いんだろうということで大して重大には思っていなかったし、今も思っていない。
何分かパソコンと睨み合い、やっとの思いで書いた1ページを眺めていると、おはようございまーすと間の抜けた声が職員室に響く。
それと同時に職員室にある視線という視線が私に集まった。
仕方なく私はパソコンとの睨めっこを一時休戦し、デスクから一番遠いドアまで向かう。
「おはよう、真美ちゃん」
「近江先生おはよーございますー」
二度目の挨拶を私に向けた彼女は満足そうに教室へと向かっていった。
償う罪 @mannya
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