6月3■日
風が吹くたびに、ルリタテハの翅から鱗粉が剥がれていく。顔を覗かせたただの薄い膜が、オブラートのように半透明になり、遥か遠い地面を映し出す。私はその上に立っているのが怖くなって、銀色の粉が風に舞うたびにまだ鱗粉の取れていない
蝶の背中に乗っているけれど、私が小さくなったのではない。蝶の方が巨大なのだ。その証拠として夢の中の私が認識していたのは、ルリタテハの触覚の間から見える地面と空の境界だった。そのわずかに湾曲した境界線はそのまま地球の輪郭を示していた。羽ばたくでもなく翅を広げたまま滑空する蝶は、どうやら第一宇宙速度をとり、地球上空で軌道離心率0の綺麗な円軌道を描いているらしい。
その四枚の翅のうち、私は上から見て右後ろの一枚の縁に立っていた。その辺りに立っていると、鱗粉をはらんだ前方からの風の流れが銀色に可視化されて美しく映るのだ。水面に落とされたインクのマーブル模様のように、空気が銀色を巻き上げることでその形を表す。流体力学のモデル図みたいだ。
私はぼんやりと考える。この景色を、あなたにも見せてあげたい。そのためにも、私か、もしくはあなたには絶対に翅が必要なのだ。
遠い地面には、一面の草原が広がっている。空気の層により彩度の落ちた濃淡のないのっぺりとした緑が地表を侵食している。花畑なんてものはそこには見受けられない。赤も、黄も、青もない。ただひたすらに、どこまでも続く緑だけがそこにはあり、巨大なルリタテハの落とす影だけがその世界のアクセントとなっていた。
元はくびれのところで折れ曲がった砂時計のようだったその影も、鱗粉を落とすことでその姿はだんだんと頼りなくなっていた。月が欠けるようにしてやせ細った砂時計は、今や筆記体で書いた小文字のエックスのような形状に変わっている。
私はそのエックスの、二画目の終端付近に立っている。
夢というのはどこまでも現実と鏡映しであるらしい。昨日見た夢の続きを見る人が存在するというけれど、それは「昨日見た夢」を現実世界で認識できているからだ。現実に内包された「夢という体験」を睡眠中に処理するための夢を見ているがために、昨晩産み出されて消えたはずの世界と連続した夢となっている。
今の私がまさにそうだった。昨日の夢であなたの口から放たれた「共進化」という言葉。互いの存在を理由に自らの存在をあなたのためだけに変容させていく行為。私があなたに求めた在り方。その言葉を、私はあなたの口から聞いた。
夢から覚めた後もそのことが心のどの部分でも上手く処理できずに、今晩の夢にまで持ち込むことになった。ぴんと張られた翅の上で、私は「共進化」について思いを巡らせている。
目が覚めて日記を書いている今でも、あなたがなぜ共進化という言葉を口にしたのかは分かっていない。私の心の中だけで留めていたあなたへの思いが、言葉にしないと伝わらないと考えていたあなたへの思いが、どうしてあなたの口から伝えられたのか。ハチドリとランになることを望んでいると知っていたのか。翅のことを口にしたのか。
先に書いてしまうと、今晩私の夢へ介入してきたあなたの意識も、私にそれを教えてはくれなかった。これまでに見た夢の中で一番あなたに近づけたというのに。
ルリタテハの上を、一段と強い風が吹き抜けた。庇うように咄嗟に腕で隠した顔の隙間から、大量の鱗粉が風に舞うのが目に映る。吹き上げられた鱗粉は、意識を持つように、触覚の辺りへと集まっていく。白っぽい太陽光に照らされて、ちらちらと光を乱反射する。しゃらしゃらと音が聞こえるような、そんな光り方で。
銀色のそれが言葉になる一瞬前に、私はその「意識」があなたそのものであることを悟っていた。
『こうして、初日には文字であなたとお話をしたんだったよね。あなたの背中に生えた林檎が、翅があなたになにかを授けてくれたか聞いたの、覚えてるかな』
空の薄い青色を背景に電光掲示板のように流れていった銀の文字列を目で追っていると、また強い風が吹いた。風切り音がチューニングをするように低く唸ったかと思うと、その音はふっとあなたの声に変わった。私は風に流されそうになりながらも、蝶の後翅の縁に足をつけている。
「二日目は声だけだったね。カゲロウの血の話をしたっけ。私の中からあなたが生まれて羽ばたいていってしまうことを、私は拒んだんだよね」
その辺りで夢の中の私もだんだんと、あなたが何をしているのか分かってくる。あなたはこれまでの四日間を再現しようとしている。文字だけだった一日目、声だけだった二日目、徐々に私の前にその輪郭を見せてくれるようになっていたあなたが姿を見せてくれることを、いつものように私に触れてくれるのを、日記を書きながら私はずっと祈っていた。
私の立っている右後翅から一番遠い左前翅。その辺りに銀色の粒子が集まってくる。光によって生み出されるそのあいまいな境界は、影だ。
「影になってあなたと話した三日目には、
また強い風が吹く。あなたの影を覆い隠すほどの大量の鱗粉が巻き上がり、私の視界を奪っていく。その嵐のような銀色の渦が通り抜けた後に残っていたのは、昨晩も夢に見たあなたの姿だった。「共進化」と口に出した、あなたの姿。
「最後に四日目。林檎に殺されて鳥になった私は、ランとハチドリの共進化の話をしたね。蜜を与えること、花粉を運ぶこと。その二つの「自分のため」を交換しあって、お互いがお互いだけを生きる手段とすることについて」
この日の夢は、あなたの独演で終わることはなかった。夢の中にいた私は気づいていなかったけれど、あなたは四日目のことを「最後」と言っていた。その意味が、まだ私には――夢の私も、この夢日記を書いている今の私も、わかっていない。
あなたの姿を求めて、私は巨大な蝶の翅の上を駆ける。完全に鱗粉は剥がれ、ルリタテハとしての面影を失った透明な翅。遥か遠い地面を映し出す翅。そこに残った輪郭、小文字のエックスの上を、私は全力で駆ける。
しかし、距離は一向に縮まらない。遠くに立っているあなたは蜃気楼のようにずっと遠くにいるままで、どれだけ走ろうが近づいてはきてくれない。走るそばから、足元のエックスが紐のようにほどけてしまっているのだ。
「じゃあ、話の続きをしよっか。あなたが今、なにの上を走っているのか教えてあげる」
遠くに立っているはずなのに、あなたの声は耳元で囁くように明瞭に聞こえた。
「あなたが走っているのは、私の染色体の上。23対の染色体のうちの、その一つ。私の全ての構造をコードしているその塩基配列の上を、あなたは辿っているの。確かに蝶の羽の輪郭だけを取り出して見ると、染色体の形に見えなくもないよね。前翅が短腕で、後翅が長腕。それからその二対の翅の付け根がセントロメアに見立てられている。
染色体はDNAとヒストンが複雑に組み合わさって棒状の形をとっているものなんだ。DNAはヒストンと絡みあってヌクレオソームを形成し、そのヌクレオソームが大量に繋がることでクロマチン繊維となり、それがまた幾重にも折りたたまれてこのエックスになっている。今あなたが走っているあたりではその染色体がほどけて伸びたただのDNAになっているから、あなたはずっと前に進めていないの」
どうしてあなたのDNAを走っているのか。その理由はあなたの口から明かされることはなかった。これまでの夢には無秩序ながらにも一応の根拠となるようなバックストーリーが存在しただけに、私は困惑している。あなたの言う「最後」の夢はどうしてか例外が多い。
この足で届くはずのところにいるあなたに触れることができない。現実ではいつでも触れられるその手に、夢の中の私の手は届くことがない。私を見つめるあなたの目には、銀色の粒が浮かんでいた。鱗粉のような固体ではなく、流体の銀色。
「そろそろこの夢からも覚めるころじゃないかな。最後に、もう一度だけ林檎の話をしよっか。
林檎の花は、自家不結実性のものがほとんどなんだ。同じ個体の花から得た花粉では実がつくことがない。一本だけの林檎の木から果実が落ちてくることはないということだね。
そんな林檎の花はどうやって受粉するか。人の手が入っていれば花から花へと人工授粉をすることもあるけれど、人の手が入っていない、悠久の昔から林檎の遺伝子にプログラムされた方法ではどうなっているか。どうやって他の花と繋がるのか。林檎は、自らの花の花粉を虫によって他の木の
こういった受粉の手段を取っている植物は、虫媒花と呼ばれているんだ。風が遺伝子を運ぶなら風媒花、水が運ぶなら水媒花。なにが遺伝子を、自らを規定する情報を運んでいるかによって、植物は分類される。
だから私は、私のことを夢媒花だと思っているの」
その言葉を最後に、今まで形を保っていたルリタテハの輪郭は、あなたの染色体は完全に解けてしまった。バランスを崩した私とあなたは、周回軌道から外れ、重力に引かるままに地面へと落ちていく。
一面の緑だと思っていた地面は近づけば近づくほど異様であったことが分かった。遥か先の地平線までずっと広がっている草原には、一輪の花も咲いていない。サインとなる花弁も、報酬となる蜜も、そこには存在しない。
ただ、のっぺりとした緑だけがそこにはある。
私よりも一瞬先、あなたの身体が地面に触れるその直前に、私は夢から覚めた。
夢はここで終わり。あなたの言う「最後」の夢はここで幕切れとなった。けれど、まだこうして続けて筆を執っているのには理由がある。そうするようにと言われているからだ。
今、これを書いている私の真後ろにはあなたが立っている。
夢で見た姿そのままに。現実でいつも触れている姿そのままに。
夢日記を書き終えたその次の瞬間、声が聞こえたのだ。突然のことだったけれど、不思議と怖くはなかった。むしろ、あるべき姿に戻ったような、不思議な安心すら感じる。
私の向かっている机は、いつの間にか真っ白の空間の中にあった。二日目の夢に見たような紗幕に隔てられて一色になっている空間というよりも、そもそもなにも存在しない空間の中にぽつんと私とあなたと机だけが放りだされたようだった。
今から言う言葉を書き起こすようにと、あなたが囁く。私は両手の人差し指の先でキーボードを探り、タッチタイプのホームポジションに指を置こうとするが、いつの間にか、モニターとキーボードだったはずの日記は、紙とペンに変わっている。
こういった文章を書いている今も、あなたは私の後ろに立っているのだ。
いいかな、と確認されたので、この文章で「私はその言葉に頷いた」と書くことによって同意を告げる。
「最後の夢だって言った理由が、わかったんじゃないかな。あなたは夢の中で夢を見ていたの。夢落ちに夢落ちを塗り重ねるなんて褒められた行為じゃないけれど、私はそうせざるを得なかったの」
ここまで言って、あなたはいったん言葉を切る。私があなたの言葉を文章に起こすための時間だ。これまでの日記でのあなたの言葉は、記憶している会話の内容を普段のあなたの口調に照らし合わせた再現だったけれど、今書いているこの言葉は、間違いなくあなたの言葉そのものだ。
明晰夢を見、自らの夢をコントロールするためのコツは、なるべく夢日記を正確に書くことだ。
「どこから話そうかな。やっぱりあなたが一番気になっている共進化の話からかな。あ、これからは途中で私の話が途切れたときに繋ぎになるような文章を入れる必要はないからね。私がこう言うことで日記にもその言葉が反映されるから、あなたによる説明も必要ないから。じゃあ一旦話が切れたら一段開けるようにしよっか。それならわかりやすいよね。
こんな風に、ね。じゃあ話を戻して共進化について。あなたと私との間に求めた関係を、あなたはそう喩えた。お互いがお互いのためだけの器官を育み、お互いがお互いだけを拠り所とし、お互いがお互いの遺伝子に相手のことを記述する。そんな関係を、あなたは私に求めた。
それが翅だったんだよね? 私とあなたを繋ぐために、あなたは「きへん」や「くさかんむり」なんかの植物から翅を想起しようとしていた。その繋がりを見出すことが、そのまま花のための昆虫の、昆虫のための花の、共進化を意味するから。夢を覗き見ることのできる私と、夢を覗き見られているあなたの間を飛び越えるための翅を、あなたは求めた。
でも、私はそれよりもずっと前からあなただけのための器官を手に入れていたの。
「夢」という漢字に「くさかんむり」が使われている理由を私に尋ねようとしたのは覚えているかな。そう、一日目だね。今からそれに答えるね。
実は「夢」の上の部分は「くさかんむり」じゃないんだ。本当の部首は「夕」のところ。現在の「夢」という文字の原型になったものが長年の変化によって、筆記により適した形に収束したことで、偶然にも「くさかんむり」のような形をとっただけなんだ。
私の夢もそうだったんだ。私もずっと、あなたと共進化を遂げたかった。そんなことを考えているうちに、ハチドリに花粉を運んでもらうランのように、夢に遺伝子を運んでもらう花になった。その形を明晰夢に求めたあなたと、よく似た方向性だったね。
分かりにくいと思うから、もう少し詳しく説明するね。細胞内共生は知ってるかな。ミトコンドリアや葉緑体が私たち多細胞生物の中にいることについての説明なんだけど。
葉緑体はもともと一つの生き物だったんだ。光合成を行う細菌であるシアノバクテリアが他の生き物の中に取り込まれて細胞小器官になったものが現在の葉緑体。元々シアノバクテリアが持っていた生体膜に加えて、取り込んだ単細胞の生き物の膜がシアノバクテリアの周りを包むことで、葉緑体は二重膜構造になっている。
それと同じようなことが、私とあなたの間では起こっているんだ。私の夢の中に取り込まれたあなたは、もともとの「あなた」の膜に加えて「私」の膜に包まれている。細胞でいうところのリボソームやゴルジ体を駆使して小胞をつくり、あなたは何重もの夢の膜に包まれている。
三日目にも言っていたけど、夢の時間は可変だったよね。染色体におけるDNAのように、複雑に折りたたまれた二重螺旋の時間の中にあなたはいるの。
だけど、夢はいつか必ず覚める。私の姿が鮮明になればなるほど、あなたは目覚めへと近づいていってしまう。途方もなく重ね合わされた夢の中の夢の中の夢の中の……が繰り返される世界の中に大切に仕舞いこんだはずのあなたも、私の存在が具体的になればなるほど私の手からすり抜けていってしまうの。これは、太陽に近づきすぎたために死ぬこととなったお話と同じ。
この瞬間に目が覚めれば、あなたはまた背中に林檎の生えた夢の世界いる。だけどそれは一つ私の作り出した膜の剥がれた新しい階層の夢なんだ。夢は表裏一体になっている。細胞膜が脂質二重層になっているように、夢を見る層と、夢日記を書く層がセットになって、一つの生体膜になっているの。チャネルとなるタンパク質複合体のコネクソンによるギャップ結合にあたるのが、今あなたが見ているこの夢だね。私とあなたがこうして会話できる夢は、他の四日とは違う特別な夢なの。
あなたは何度も私によるこの解説を受け、それでも次の夢の膜へと行ってしまう。それも、あなたが私のことを具体的に認識したことによって。
葉緑体は長年の共生の中で元々持っていた遺伝子の多くが消失し、一部の遺伝子は宿主となる生物の細胞核へと移っていった。お互いがお互いのことを不可欠で当然の存在だとプログラムし、本当にそうやって生きていく。これこそ、私たちが求めている共進化を突き詰めた先にあるものなんじゃないかな。相手と自分の境界すら曖昧になって、融け合っていく。一つになりたいなんて言葉をよく聞くけれど、この方法なら、この器官ならばそれが叶う。
いくら強く抱きしめ合っても、絶対にその座標は重ならない。だけど、情報という形でなら、私たちは本当の意味で一つになれる。相利共生の先にあるものを、手に入れることができるの」
あなたの言葉が止まって、しばらくが経った。きっと、私がこの言葉を聞いて何を考えたのかこの日記の上に書いてほしいということなのだろう。
上手く言葉にならないというのが、正直なところだ。私はこれまでの四日間、あなたを求めて夢を言葉にしてきた。けれど、そうすることによって私はあなたが既に与えてくれていた共進化から逃れることになってしまっていた。お互いに求めているものは同じだというのに、それを二人が同時に理解し、叶えることはできない。私の伸ばした手とあなたの伸ばした手はどうしても交わることがなく、私はあなたを求めて羽化してしまう。
こんな文章を書いていたからだろうか、私の背中からは翅が生えてきた。先ほどの鱗粉の剥がれたルリタテハのように、透明な翅だ。夢の中ではどれだけ願っても生えることのなかった翅だけど、こうして背中から突き出しているとどうしても違和感がある。人間は、元から持っていなかったものを上手く扱えるようにはできていないのだ。
「ごめんね。少し痛むかも」と声がして、背中に温かいものが触れた。あなたの手だ。この五日間で初めて触れたあなたの体温だった。ずっと、触れたくて仕方がなかった。私はこの温度のために、ずっと夢日記を書き続けていた。この瞬間のために、共進化を求めていた。
あなたの手は、私の背中に生えた翅を両手でしっかりと掴んでいる。
ペンを止めてはいけないと言われたので、私はこうして続きを書いている。きっと、この文章を書くことだけが今、私とあなたを結び付けてくれている。私とあなたの夢と夢の交差点に咲いた夢媒花が、この日記だ。
「せっかく、私たち二人の願いが叶っているのに、またあなたは夢から覚めてしまうんだね。このままずっと生まれなければいいのに。翅なんてなければいいのに」
あなたの手は暖かい。この体温は、あなたを記述する遺伝子にプログラムされている。その塩基配列の一部に、私はなりたかったのだ。お互いがお互いのためだけの器官を持つような、そんな関係になりたかったのだ。
「あなたに生えてしまった翅は、私がもぎ取ってあげる。収穫してあげる。あなたが飛ぶ必要はないの。生まれる必要はないの。その代わりに、私が翅を引き受けてあげるから。何度だってあなたの翅を取り去るために、同じ夢を見続けるから。
あなたが私だけのために紡いでくれる日記を、ずっと見届け続けるから」
そう言って、あなたは私の背中から翅を引き抜いた。
背中から
その代わりに襲ってきたのが、強烈な眠気だった。
もがれた翅をペンに、流れた血をインクにして、あなたのくれた藍色の銅の文字を綴っている。だけど、その瞼もだんだんと重くなってくる。この眠りは、夢の終わりだ。二重螺旋の10.4塩基を辿り、また一つ夢の末端へと、目覚めへと近づいていく。
あなたの望まない、私の羽化だ。
それでもあなたは優しく微笑んでいる。私があなただけのために綴る日記を愛しそうに見つめながら。
その表情のまま、あなたは「そうだ、言い忘れてた」と呟いた。
「天使が眠るときは、いつもうつ伏せなんだよ」
明日も、日記は続けることにする。続いていなければならない。それこそが、あなたの望むことだから。これこそが、お互いを想う特別な器官だから。
願わくば、この日記がいつまでも夢の中のもので在り続けますように。いつまでも、現実のものとなりませんように。
夢に咲く夢媒花が、いつまでも枯れませんように。
明日も、日記は続けることにする。
夢媒花 青島もうじき @Aojima__
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