いわゆる仮想戦記とよばれるジャンルの物語であるが話は今(令和2年7月)より約一年先にあり得るかもしれないシチュエーションを「礼和」の物語として創作されている。
現実は小説より奇なりという言葉もあるがこの物語は現在の世界情勢をふまえ、また世界の各国の首脳の人柄、そのお国柄を大盛りに盛ったうえで「ありそう」と思える様な仕様に仕上がっている。
作者は各国を取材旅行し、現地を楽しんでおられたようでその際の現地の人、文化、熱気も取り入れられているようだ。
話のテンポが良く、公開時は毎日2話更新と読者としてはこれ以上ない配信環境で大変ありがたかった。
現実の方がヤバい状況になりそうな時もあったようだが配信終了まで大きな破綻を感じさせず終わったのは何よりも作者がホッとしたのではないだろうか。
もう少し続くかと思っていたがステイホーム期間に書き溜めたものを今回公開したとのことで続きを創作されるならぜひ読みたいと思う。
軍事好きですが、現代戦ものには興味が持てません。
我々が知っている通りの自衛隊やアメリカ軍は、生々しい隣人でありすぎて、彼らの殺し合いを娯楽として楽しむのは悪趣味と感じます。
現代戦となると実在の国を悪役にすることになり、人種差別的にもなりかねません。ネットにはそういうのが溢れていますよね。
だから第二次大戦や、まったく架空世界の戦争物が好きです。
そんな私でも、この作品には惹きつけられました。
「こんな面白いの書きやがって! チクショウ! チクショウ! 読みたくないのに!!」って毎日読んでます。
特定の国が悪く描かれていますが、ヘイトスピーチにならないギリギリのところで抑制されていて、「クソッ批判できない。クソックソッ」て感じです。
矢継ぎ早に更新されるのも、じつに憎たらしい。
おすすめです。