ポケットの中の減刑

生乾いていく思い出

酸化もままならない

凍えたままに揺れる

吹きさらしの国道沿い

芽吹く種子の趣旨の

樹脂の受理の呪詛と

執行もままならない

オクターブの現行犯

戒律と踊る受刑者の

罪悪感と調律者たち

刑執行の極意の果て

笑っているのは俗物

あるいは念仏愛好家

磔刑たっけい主義劣勢の最中さなか

湿った臓腑ぞうふの光にて

許されたんじゃない

許したんだぼくらは

そういう曖昧模糊あいまいもこ

正義主義主張を元に

織り千切ちぎった生命線

膜につつまれている

ただそれだけだった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

多利末睦歩の殴り書き 詩一 @serch

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ