家探し

昨日は部屋に戻ってすぐ眠りについたからか目覚めたのは早かった。

早いと言っても8時は回っていたので下の食堂で朝飯を食べることにする。

朝は海の幸ではなく普通にパンにマーガリンと果汁のジュースだった。

ふと昨日の3人組が気になって他のテーブル見渡してみたが見つからなかったので大人しく部屋で女神を待つことにする。


部屋に戻ると既に女神がいてベッドに腰かけていた。


「お前どうやってここに入った?鍵は俺が持ってるんだが」

「天界から普通にここに降りてきたわ」

「あぁ、そっすか」


俺が考えないようにしようと思うのにそう時間はかからなかった。


俺の今日の予定は女神に丸投げする予定なので何も考えていない。

なのでとりあえず女神に確認する。


「で?今日は何すんだ?」

「あなた自分のことなのに何も考えてなかったの?バカなの?」


ここに関してはぐぅの音も出ないので素直に謝るが多少はイラっと来るのは仕方ないだろう。うん。仕方ないな。


「すまない。今日は受付嬢に憧れる女神に丸投げしようと思ってたから何も考えてないんだ」

「別に憧れてないわよ!ちょっと興味があっただけなのだわ!」

「そうかそうか」

「何なのよその孫を見る祖父のような目は!腹立つ!」


女神は反応がいいなぁ。実にからかいがいのあるヤツだ。

とはいえこのままだと話が進まないので本題に戻す。


「悪かったって。それでこの後はどうすんだ?」

「いつか女神の尊さを教えてやるんだから。

とりあえずは家探しね。それが終わったら家具をそろえて部屋の内装を整えるところまでできれば上出来ね」

「分かったなら不動産屋を探すか」

「それは心配ないわ。昨日のうちに良さそうなとこを見繕っておいたから」

「お前そんなこともしてくれてたのか」

「この私が手伝うって言ったのだからあたりまえよ。というかそのお前ってやめてくれないかしら」

「いや俺お前の名前なんぞ知らんからな」

「ノエルよ。忘れたりなんかしたら承知しないわ」

「了解だ。ノエル」


その後町並みを眺めながらノエルの後についていくとそこそこ大きめの建物の前でノエルが立ち止まった。


「ここか?」

「ええ、そうよこの町で一番多く物件を扱っているとこね」

「そか」


中に入ると早い時間だからか人はいなかった。


「いらっしゃいませ!」


犬耳幼女だとっ?!!天使だ!エデンはここにあったッッ!!!!!

俺が感涙にむせび泣いていると思いっきりケツを蹴られた。


「ぐあ!何をするノエル!俺にⅯっ気はないぞ」

「キモイのよロリコン。無に還すわよ」

「やめろ。それを貴様が言うとシャレにならん。あと俺はロリコンではなく紳士だ」


紳士だと言ってもノエルはゴミを見るような目をやめなかった。

俺たちが言い合っている時犬耳幼女はあわあわしていた。

うむ。やはりケモミミは日本人の夢だな。


店の中で言い合っていればもちろん他の店員さんも来るわけで、俺とノエルは騒いだことを謝罪してから席に着いた。


「それで小さくてもいいから店を営めるような物件をお探しと」

「はい。扱いたいのは薬草や小物の予定です」

「ふむ。見繕って参りますので少々お待ちください」


そう言って店長だというミゲルさんはどっかへ行ってしまった。


「なぁノエル。お前の言ってた条件だと少しでかくないか?」

「当たり前でしょ。店をするならそれなりの大きさは必要だわ」

「うーん。まぁそんなもんか」


条件などの話は全てノエルがしてくれていた。

俺は眺めていただけである。

まあ条件とか言われても俺はそこの世界に詳しくないので助かったのだが。


「そんな不満そうな顔をしないの。総一郎の仕事はこれからよ。実際に見て決めるのはあなたなんだから」

「そか」


たまに見せるこの顔はとてつもなく美人なんだがなぁ。



しばらくして店主が帰ってきたので見繕ったという物件に案内してもらう。


「今回の条件だと合うのは4つほどでした。その中で決めていただければと」

「その辺は見てからだな」

「左様ですか」


所が1つ目に向かう途中で事件が起こった。

目の前を歩いていた少女をガラの悪い3人組が無理やり馬車に乗せて連れ去ろうとしたのだ。

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100から始めるヘンテコスローライフ 眞白 @Mashiro_grza

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