第10話

「ありえない…どうしてこんな事が…?」


と、『彼ら』は騒いでいた。

だって、仕方ないじゃない?

最終回にみんなで変身して、みんなで戦ってこそのスーパー戦隊だもの。

        *

おい、1話前からいるけど、お前は一体誰なんだ…?(文彦)

        *

あら文彦君、私の存在に気づいていたの?

もっとも、君と千鶴に物語をすすめるようにしたのは私だけれど。

君は主人公だから。千鶴ちゃんは私の分身だから、君たちに物語をすすめてもらったのよ。

        *

わかったでしょう…?私は君たち、そしてこの物語の創造主。現在進行形で書いている筆者よ。

        *

それじゃあ、魔王っていうのは…!?(千鶴)

        *

そう、私の事。

私は創造主だから何にだってなれるもん。

だから、人間である時もあるしない時もある。

まさか、あんたたち人間を殺す事なんてことはしないでしょうね?

        *

うっ…(文彦)

「みんな…チェンジだ…!!」

「おう!!」


「クエストチェンジ!!」

       *

ふふふ…www

きたーっ!!最終回全員変身!!

やっぱり最終回って特別よね!!

さぁ、かかってこいやあみんな!!

おっと、その前に語り手がいなくなるからテロップ書かなきゃ!!

       *

     (只今戦闘中…)

       *

「必殺!!ゴウカイダイナマイト!!」

ああああああーっ!!

はあっ…はあー…っ!!

うっ…!!はあっ…!!


「お前はどうして戦隊の物語を書いたんだ!?」

…和也。元々この物語は私の物語じゃなかったの。

「パクったのか?」

…陸…w。ある意味そうなのかもしれないし、埋もれる予定だった作品を生まれ変わらせたとも言えるかもね…

「私…少し記憶があるの。彼女がかなり小さい頃、彼女の恩師が書いた脚本。そして私を演じてくれたのが彼女…創造主。」

そのとおりよ千鶴。もっとも、あのときは、レッド、ブルー、イエロー、グリーンがいてそれらが4教科の戦士であるという設定しかなかったけど。それを元にして作った物語がこの物語…貴方達の設定と名前をつけたのも私…。

「だったら…また脚本を書いてくれないか?」

え?

「俺達と違う…もっと自由で伸びやかな後輩達の脚本を」

でも…

「この運命はお前が望んで書いた運命だ。だから俺たちにお前を倒させた。でもお前には悪役なんかじゃなくて味方の方ががお似合いだ。」

「…もう、やりたいことはやっただろ?俺たちはこれ以上お前を悪役にしたくないんだ」

…わかった。でもちょっとまっててね。




――そしてまた、スーパー戦隊が誕生する…


                 fin.




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

4教科戦士ゴウカイジャー 若星 明花 @hime_mirea_256

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ