絵に描いたようなツンデレゴスロリガールのカレン。
いつも高飛車でついつい高圧的な態度をとってしまう彼女は、周りから敬遠されがち。それでもいいと思っていた。いつも自分を甘やかしてくれた大切な人が怒りだすその時までは。
短編ながら丁寧な心理描写と二人の関係が築かれていくまでの経緯、そして舞台となる横浜のデートスポットがしっかりと描かれています。
アニメや漫画の主人公はなんとなくツンデレちゃんのデレを御馳走になっているけれども、現実世界だとそうはいかない。微妙な関係を変えるのに必要なのは、勇気と理解、一緒に過ごした時間から芽生える愛だけなのです。
豊かな人生を歩むために大切なことを教えてくれるシンデレラストーリー。
恋愛ものが好きであれば、是非!
ひとは誰しも、本当の自分は隠して生きているのではないでしょうか。仮面の下にはどんな本性が潜んでいるのでしょう。この物語に登場する華恋は、『ツンデレ』なる良家のお嬢様にピタリとお似合いの衣装をまとっています。その装いはお見事です。舞台は夜の横浜。カップルにとって最高のステージです。キャッチコピーの、「魔法が解けたシンデレラは幸せになれるの?」がこの物語の肝となります。夜のとばりが下りた横浜で、華恋が自ら掛けている魔法は果たして解けるのか?『ツンデレ』の仮面をはぎ取ることができるのか?
ラストシーンに向け鼓動が早まり、「どうか魔法が解けますように!」と祈る自分がいました。まさしく、ちょっぴり切ないラブストーリーです。ぜひご覧になってみてください。
シンデレラをモチーフとした甘酸っぱい恋愛物語。
心躍る情景情緒が織りなす物語は、童話のように読者を惹き込みます。気が付けば、あら不思議。もう十二時。ゴ~ン、ゴ~ンと時計台の鐘の音まで聞こえてくるよう。
童話ではガラスの靴を拾いましたが、現代となると……意外なものを拾ったりします。
作中は、現代の横浜が舞台。そこで成される恋愛もまた現代風。
物語の描写もさることながら、男女間の立場の違いも面白い発想。それに加え、作者様の横浜に対する愛着もよく伝わる物語に仕上がっています。
是非、皆様もご一読ください。気が付けば、何時の間にか読者は物語の虜になっています。
まずは冒頭、タイトルどおり、横浜の街を描写した文章がとても素敵なのだ。ヒロインのかわいらしさの描写も実に秀逸。ここから始まる恋模様に、否が応でも期待が高まってしまう。
さぁ、そんなヒロインではあるが、性格に少しばかり(?)難があるのだ。人あたりが厳しく、ついつい孤立してしまいがち。
ほのかに想いを寄せる彼にさえこの態度。世の男性はかわいげがないと言うかもしれません。
このヒロインが纏うベール。その魔法が解ける瞬間は訪れるのか……?
彼の本気を知ったヒロインは……? 彼も、優しく見護るだけじゃダメなんだ!
ふたりとも、言葉にしなけりゃ伝わらない!
乗り越えたふたりが、また素敵なのだ……。