第30話 もう終わりや

「は?ナニコレ?」


凪は今にも沸騰しそうなくらい怒りがこみ上げた様子だった。


待てよ、もしかして、今渡したものって、、、。


「あ、これー?昨日撮ってきたんだよねー?ダーリン♡」


佐山はそう言って俺の腕に抱き着いてきた。

あ、これもう終わったわ。


人生終了、お疲れ様でした。


「ふーん、ふみくん。説明してね。」


優しい笑顔を振りまく凪が怖い。


「え、えーと、プレゼント選びに付き合ってもらったお礼にとってほしいって言われて、。」


やばい、どこ見ればいいんだ。

安息地がないやん。


「なるほどねー、理解はしたよ。じゃあこれは1人で選んだものじゃないのね?」


「佐山にはこういうものがいいよって言われたくらいでどれかにするかは自分で選びました。」


思わず敬語になってしまった。


するとここで佐山がとんでもない爆弾を投下した。


「でもあのあと私んちに行きたいって言ってたしなぎちゃんのこともう飽きたって言ってたよ?」


ニヤニヤしながら意味のわからないことをいう彼女を理解するのに時間を要した。


「は、は?家行ったの?」


やめて、拳あげないで。


「いあ、いや、いってないです。ほんとに、いってない。」


動揺しすぎて笑えるわ。


「え、さいてー。昨日最後楽しかったねって言ってくれたのに。」


もう、ほんとに、やめてくれませんか、、、。泣きますよ、高校生にもなって。

こういうときどう対処するのか教えてー。


「さっきから、意味わからんって!家も行ってないし、プレゼント買いに行っただけじゃん!」


半泣きで叫んだ。俺にはこれが精一杯だった。


「わかった。でも、」


彼女は俺のあげた紙袋からコスメを取り出しそのプレゼントを空高く投げた。


地面に着いた瞬間大きな音とともに容器が割れ、中から液が流れた。


あ、これでもう俺らは終わりか。

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ヤンデレ彼女と犬系彼氏 変態王子 @hentaiouji

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