第29話 楽&絶
「ねね、もう用事も済んだことだし最後にプリクラ撮って帰らない??」
「え、いや、彼女いるし、」
「いや、あんた彼女いるのに私とデートしたやん。それは良くてプリはダメなん?」
そんなこと言われたら断れないって。
「じゃあ、誰にも見せないなら。」
「やった!ありがとうダーリン♡」
上目遣いを器用に使いこなしてる彼女を断る術をまだ俺は持ち合わせていないようだった。
そうして俺らはゲームセンターに向かった。
すると、
「あ!あれずっと欲しかったピン太君人形!前2000円使っても取れなかったんだよ、、、。」
何やら欲しがってるクレーンゲームの景品を見つけたようだ。
「じゃあ、取れるかわからないけどやってみるわ。」
俺はこう見えてゲーセンに通っていた時期があったからお手の物だぜ。
え?そう見える? そっか、、
俺はお金を投入し、ボタンを操作する。
ぬいぐるみの服の隙間にうまくクレーンを落とし、引っ掛けることができた。
そのままクレーンは穴のある位置まで進み景品をとることが出来た。
「え、1発で??すごい、。」
なんか少し引かれてる気がした。
「まあ、こーゆーの得意だから!」
やっとこいつの上に立った気がして高揚感を覚えた。
俺、ちっちぇえ。
「少し見直したわ。じゃあお礼にプリ撮ろっか!」
「いやお前が撮りたいだけだろ!」
思わず突っ込んだ。
これ取ってくれたからと言い代金は彼女が出してくれた。
そのまま彼女に連れられ人生2度目のプリクラを撮った。
写真を撮ってる際中、佐山が抱き着いてきたり、胸を当ててきたり、経験値が低い俺にとっては死活問題だった。
理性をよくこらえたな俺。
「はー楽しかった!あんたおもろいねやっぱ。」
にかって笑う彼女に少しドキっとした。
「べ、べつに、そんなこと言われても嬉しくないし、。」
「ツンデレか(笑)まああの子に飽きたらいつでも私のとこ来てもいいからね?(笑)」
ほんとにやめてくれ、、、
そんなやり取りを繰り返し、俺らはショッピングモールを後にした。
家に着いてから俺は、凪のプレゼントを見ては喜んでくれるかとワクワクしていた。
プレゼントあげるのがこんなにも楽しいものだったんだな。
そこから幸福に心が満たされながら眠りについた。
あんまり寝付けなかったがプレゼントを渡して仲直りできると思うと眠気なんて全く気にならなかった。
急いで朝の支度を済ませ学校に向かった。
登校中、凪の姿が見えたので俺は後ろから彼女の肩をたたいた。
「この前はごめん、これその謝罪を込めてのプレゼントなんだけど貰ってほしい。」
「え、いいの?ありがとう。私の方こそ急に追い出したりしてごめんね。
大好き。」
照れて言う彼女はやっぱりかわいかった。好き。
「おーおはよー二人とも!」
後ろから佐山が話しかけてきた。
「仲直りできてよかったねー、あ、これ私からもプレゼント。」
彼女は凪になにか紙のようなものをプレゼントした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます