第5話
下駄箱で琴音と別れたあと、俺と凛は2年A組の教室まできた。
「じゃあ教室入るk」
そう言いかけたところでガラガラと教室のドアが何者かによって開けられた。
「やあやあ凛ちゃん!今日こそは僕と付き合ってくれないかな?!」
中から出てきたのはA組のクソプレイボーイこと信条 真(しんじょう まこと)だ。いかにも遊んでそうな金髪に色黒でつり目をしている。
「何回も言ってるじゃないですか!私はあなたと付き合うつもりはありません!」
「おいおいこの僕の20人目の彼女として迎え入れてやろうとしているんだぞ?これ以上ないくらいに幸せ者なんだよ君は」
「私はあなたと付き合う気は一切ありません!」
「はあ?君もわからないやつだな。僕から告白されたら付き合うのが当たり前なんだよ!学力は高くても地頭は悪いってことか」
ここまで傍観していた俺だが流石に今の発言はいただけない。
「は!学力の低い猿が何言ってんだ?」
「な!ふざけるなよ?クソインキャが!お前こそいつも寝ているだけで毎回100点だなんてズルをしているんだ!」
「はあ?こんな学校のテスト簡単だろ。逆になんでテストでクラス30人中25位、平均85点なんてゴミみたいな結果が出せるんだ?」
「な!ふざけるなよ?この世界は勉強ができればいいってもんじゃないんだ!むしろ今の社会は『女が何人いるか』がステータスになるんだ!」
そう今の一夫多妻制の世の中では妻の数が多いほど周りからの見栄えが良くなってしまっている。つまり女性は男性の社会的地位を維持するための道具に等しいということだ。しかもこいつは『付き合っている19人の女を全員脅して付き合っている』という噂だ。まあ発言を聞いていれば分かる通りのクズ男ってやつだな。全く反吐が出る。こんなクズが俺の幼なじみに手を出すなんて。
「おいおい話題を逸らすなよ25位。馬鹿は自分の都合が悪くなるとすぐに話題を変えようとするから嫌なんだ」
「ち!ふざけんな。だいたいなんでお前みたいなインキャが俺の凛と一緒にいる?」
「お前のじゃねえよ。一緒にいる理由は俺の幼なじみだからだ。それ以上の理由が必要か?」
「てめえそのなめた口をきくのもいい加減にしろよ?」
そう言いながら俺の胸ぐらを掴んできた。
「やめて!」
のだが凛の声によってすぐに解放される。
「いいの?この学校暴力とか校則違反には厳しいよ?信条君こんなとこで暴力をしたら退学じゃ済まないよ?」
「クソが!おい凛覚えとけよ。お前は俺のだからな」
そんないかにもな捨て台詞を吐いて自分の席へと戻っていった。
「もう。よいちゃんもだめだよ?あんな煽るようなこと言っちゃ」
「凛を馬鹿にされてちょっとな」
「それは嬉しいけど危ないことはしないでね?」
「ああ」
そんな会話をしているとさっきまで静かだったクラスに喧騒が戻った。
そして、ガラガラと前のドアが空いたかと思うと我らが担任が入ってきた。
「おーい席につけ。それから柊今日のHRは少し大切な話をするから起きとけよ?」
先生は俺の席に目を向けてた『らしい』のだが、
「zzzzz」
すでに俺は席について寝ていた。
一夫多妻制になったので好きなってくれる女の子はみんな幸せにします NASKA @NASKA0611
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。一夫多妻制になったので好きなってくれる女の子はみんな幸せにしますの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます