【R15】ピンクの蛇【なずみのホラー便 第66弾】
なずみ智子
ピンクの蛇 ※残酷注意!
仕事を終えた会社員ヤスヒコは、妻と幼い娘が待つ自宅へと帰る途中、道端で占い師の老婆に呼び止められた。
「蛇だ。数刻後のあんたの未来に、ピンクの蛇が”いっぱい”見えるよ」と。
普段から占いや未来予知なんて信じていないヤスヒコは、彼女の言葉など適当に聞き流した。
だが、その後に彼はトイショップのショウウィンドウに飾られていた蛇のぬいぐるみに目に留めることになる。
コミカルで可愛いらしいピンクの蛇のぬいぐるみを、娘へのプレゼントとして購入した彼は「あの占い師が言っていたのはこのことだったのかもな」と思わずフッと笑いを漏らしていた。
しかし、そうではなかった。
”尋常ならざる笑い声”を不審に思った隣人の通報により、ヤスヒコの自宅に警察が駆けつけた。
何者かに口をガムテープでふさがれ、手足を縛られた挙句、”腸を引きずり出されて”殺害された妻と娘の遺体の第一発見者となったヤスヒコは笑っていた。
「ホッ、ホントだ、占い当たったあ♪ ピッ、ピンキュ、ピンキュの蛇がいっぱい、本当にい~っぱいだぁ♪」
ピンクの蛇のぬいぐるみを胸にギュウウッと抱きしめたヤスヒコは、涙と鼻水を流しながらゲラゲラと笑い続けていた。
――fin――
【R15】ピンクの蛇【なずみのホラー便 第66弾】 なずみ智子 @nazumi_tomoko
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