同じプロットで別々の作者さんが物語を書く企画「筆致は物語を超えるか」。 今回のお話は、参加作の中でも特に切れ味のあるお話です。 エッジの効いた短いお話なのですが、そこに込められた「熱」は本物。短い文章で物語を書ききる作者さんの地力の高さが窺える、素晴らしい作品です。 切れ味のある、冷たくも温かいお話。オススメです! ぜひ!
自主企画【筆致は物語を超えるか【雪を溶く熱】】参加作品丁寧に描かれる世界の描写に、静かに引き込まれていく美しい物語でした。美しいからこそ感じる恐怖を、文章に具現化したかのように描かれていく悲しい愛の物語。
四十年ほど前、住んでいた地域一帯にかなりまとまった雪が降った。翌日、雪が止んで晴れたので友人の家にいこうとした。しかし、積もった雪は私の胸ほどあり途中で諦めざるを得なかった。 そんな記憶を引っ張り出された本作、レトロな時代背景がセピア色に雰囲気を盛り上げる。思いつく限りの『装備』をほどこした彼の姿が静かに胸に残る。数十年前の記念写真のように。 必読本作。
同じプロットから小説を書く企画の参加作です。これは強烈な悲恋のストーリー。淡々と進む物語をふむふむと追っていくと、ラストであっ!となります。冷たい雪の描写が続く前半があるから冴えるラストのセリフ。ご謙遜なさらずともこれはお見事です。