第7話 光を浴びて輝く剣が一振り

「闘えば どちらが勝つ?」関羽将軍は そう問いかけた。


黒い美しい髪を風になびかせて

青い瞳の娘は持っていた刀を大地に突き立てて、その問いかけに答えた  

ため息一つ


「おそらくは紅玉姫・・能力は彼女が上だから」と静かな口調で 碧姫は答える。


「逃げるがいい・・逃してやれ、紅玉姫」穏やかに諭すように関羽将軍が言った


「関羽様」その言葉に振り返る紅玉姫


「長きに渡りそなたは良く尽くしてくれた

そなたも その青い瞳の娘と行きたいなら、行くがいい 我は構わぬ」

「いいえ!私は貴方様のお傍におります。」


穏やかに 血の匂いがする戦場(いくさば)の処で 微風が吹いていた

しばし佇む(たたずむ)三人。 


「紅玉姫」唇を噛み締める藍姫 「行って!碧姫」紅玉姫、赤兎馬


「今は刃を交わす事はしない!」

何か言葉は言いたげにしながら 碧姫は三度振り返り去ってゆく


「良いのか?まだ今なら・・」


「良いのです 今は貴方の傍に」

そう微笑み 彼女は 再びその姿は赤い馬、赤兎馬へと変化をとげた。


狐につままれたかのように

何事が起こったのかとまわりの人びとは首を傾げ


ただ、 碧姫が大地に突き立て残した剣が太陽の光を浴びて煌めく。


風だけが周りの木々のこの葉を

揺らしては小さな囁きのような音を奏でていた。


FIN

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

紅玉姫幻想 のの(まゆたん@病持ちで返信等おくれます @nono1

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画