おまけ ないしょな終わり

「ちょっと、ふたりになってもいいかな」

「うん。じゃあわたし、上にいるね」


 あきひめが階段を上り、佐藤勇が会話を始める。


『いさむ。久しぶりだな』


「勇。久しぶり」


『あれからどれくらいになる?』


「二十年くらいかな」


『そうか。まさか今度は、いさむたちが魔王になるとはな』


「そうだね。でも、だからこうしてまた会えた。そしてこのゲームも終わったけど、本当の終わりじゃない」


『というと』


「ぼくらの道も、勇姫の道も、まだ終わってないからね。終わるときまで、ぼくらは魔王であり続けるんだ」


『へー。よくわからんけど、オレは勇者だ!』


「勇姫は君の子でもあるよ」


『そうか。あの子を見たとき、なんか懐かしかったな』


「今夜はあの冒険を振り返ろうか。って、勇姫に渡したんだった」


『それでいいさ。オレには昨日のことのように感じてるから』



——こうして、二つの冒険は結ばれた。おしまい。

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Real Playing Game! 浅倉 茉白 @asakura_mashiro

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