去るものの思い。残るものの思い。

同じプロットから小説を書くという企画の参加作。

幼馴染の男が久しぶりに訪ねて来て「今すぐ街を出よう」と主人公の女を説得にかかります。が、女はこれを拒絶して、一人で男を見送ります。

この指定プロットに沿ってお話が進んでいきます。

街に残ることとはすなわち死ぬこと。なぜ女は断ったのか。なぜ街が死んで行くのか。その部分を圧倒的熱量でもって書ききった怪獣パニック系SFになっているのです。

参加作随一のシャープな描写でもって緊迫感たっぷりに書かれた二人のやり取りと街に対する思い。

これは企画参加者必読の作品ですね

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