第10話 ランカー生活の始まり
そして、研修師30年最後の月、魔法治癒士、治癒士、魔術薬剤調剤士の2次試験結果発表がある。今回の対象者は6名。ジークから見れば全員合格なのだが。ジーク自身合格確実と言われているが、どちらかと言えば治癒学の周りの部分での評価と思っているので、正直油断はしていない。
発表の時間。発表はいつもの朝礼の場所で行われる。ただいつもと違うのは対象の研修師は皆の前列に並ぶ。そして院長から名前を呼ばれた者が正規の治癒3種の資格を得る。
「例年通り治癒3種2次試験合格者を発表する。名前を呼ばれた者は私の前に」
「1人目・ジークナイト・マジェスト。お前の場合既に正職員と思っているものの方が多かったくらいだ。つまり、それだけの実力を認めているという事だ。胸を張れ!ジーク。お前はこれからランカーになるが
「「えー!!!聞いてないですよ!!!」
「「そんなぁ!ジーク先生ここで治癒士として頑張ってほしいです!」」
「静かに!!ジークはランカーになりたい。そう言ってここへの誘いを断ったくらいだ。バチサレム高等学園の治癒学科首席教授の説得でここに来て、どうだこの30年の治癒院の変わりよう。ほぼすべてがこいつの提案から始まっている。これだけでも、ここに来てもらった甲斐があったというもの。ここは素直に礼を言う。ありがとう、ジーク」
「そんな、卑怯です」
思わず涙ぐむジーク。
涙ぐむジークを見た女性陣、なんとか直視できるかどうかだったが涙を浮かべるジークを見てハートブレイク。なぜだかジークを快く送り出して立派なランカーになってもらいましょう、という流れに話が流されジークは立派なランカーを目指すことになった。
「30年で履修かぁ。もっと長くあなたと一緒にいられると思っていたんだけど、シャルと交代ね。でも、時々でいいから帰ってくること。あまりほったらかしにしていたら知らないぞ。これでもモテるんだからね。」
それはシャレにならない、シェリルはシャレ抜きでモテる。
「ちゃんとします。会いに来ます」
そう告げて熱い口づけをかわす。魔導バスに乗り込み出発まで手を振る、
さあ、行先はキシリムだ!!!
唐突ではあるけど、現在ジークがいる国それともう一つの超大国
バチサレム共和国 聖王国
人口 約3億5千万人 約3億8千万人
元首 国家元首 教皇
議会 元老院議会 枢機卿会議
議会2 人民議会 ―――
議会の元老院議会と枢機卿会議は似た性質を持つ。特定の職業の人しかなれない。
国家においてかなり絶大な力を持つ。
元老院議会は
・バチサレムで生まれ最低150才までバチサレムで育ち、大人になって黒になった人。所謂バチサレムの黒。
・商業ギルドグランドマスター
・国軍最高司令長官
・黒が足りないときは黒と同条件で空いているポストに適性のある金
商業ギルドグランドマスター、国軍最高司令長官、金の元老院議員は国家元首になれない。
また、元老院議会で行われる国家元首選挙の投票権もない
人民議会議員
人民議会は立法府としてのみ存在する
行政権、司法権は一切ない。
法案を成立しても国家元首、元老院が拒否権を発動した場合その法案は有無を言わさず廃法になり、いかなる手段をもってしても復活はない。
300才以上のバチサレム国籍を持つ人は立候補できる。選挙区は小選挙区に近い。全選挙区1人当選。選挙区数は822
民間人にも政治への参加の権利をとの理念で設立された。
聖王国の枢機卿会議
聖王国出身の枢機卿のみが議員になれる。
枢機卿の数が多いため議会のための選挙が行われる。投票権者は聖王国出身の大司教以上。
教皇については枢機卿会議から募り枢機卿会議で投票決定される。
枢機卿会議がいわゆる3権を全て掌握しており、教皇と共に聖大国最強の機関である。
軍事
バチサレムは中央集権型の軍事体制ではなく主に海岸都市に部隊が師団単位で多く配備されており、内陸部の部隊は増援もしくは遊撃部隊として使用されるのを想定している。
これは北側が端から端まで7000メートル以上の標高を誇る山脈がそびえており、そのふもとが世界3大大森林のうち2つを擁しているため、北についてはぼ絶対の自然の防御。さらに訓練も兼ねて、常に1個師団兵員15000人の部隊が4個師団常時展開している。あとまとまった形の部隊は内陸部にある4か所の増援湯劇部隊。1か所につき6個師団が展開。まとまって部隊展開しているのは最後に首都防衛部隊これに海軍の10個艦隊が加わる。
船は大航海時代を想定してればいい。1隻の能力よりもまずは数。1個艦隊50隻を基本に展開。ただしバチサレムの艦隊は母港はあるが基本的に遊撃艦隊で防衛を主任務にするのは首都防衛艦隊のみである。
これはバチサレムの地形にも大きく影響されている。北側には山脈越しに4か国あるが攻めることも攻められることも考えなくていい。そして大陸の南側は全てバチサレム。
となると、陸軍は迎撃防衛が主任務であり、海軍は敵艦隊のせん滅が主任務となり、これらと毛色の変わった部隊が艦攻特別攻撃師団。1個師団でありながらその戦闘力は5個師団をはるかに超える。バチサレムにどこの国が仕掛けてきたのか慎重に調査を行い、確実な証拠、捕虜を得た時点で艦攻特別攻撃師団に残存勢力、および首都の完全破壊を命じる。その時点でも降伏がない場合はゲリラ戦法にて相手の要人の家族、王族ならよりよし。
惨いようにも見えるが、そもそも攻めてきたのはどちらか。この程度は仕方ないだろう・
竹槍に原爆見舞うやつらよりはよほど人道的だ。
聖王国の軍事は大きく違う南半球の大陸の一つの北側9割は占拠。残り1割も聖王国に寄生している小国。事実上大陸の北半分は聖王国の領土と言っていい。
聖王国は軍隊としては精霊騎士団12000人精霊魔術士団7000人精霊戦士団280000人
聖王国が動く時はすなわち聖戦。聖戦の名のもとに野蛮と言われる国の軍、傭兵ですらためらうことを平気でやってのける世界で最も野蛮な人間たち。
そのことを分かっている教皇たちはめったな事では精霊騎士団等を出す事はしない。一般に知られているのは精霊騎士団の中から選ばれた近衛精霊騎士団である。
経済は両国が世界を手中に収めている。
利権的には世界の8割を握っている。
世界は、両国からおこぼれをもらって生きている状態が続いている。だから誰も逆らわない。否逆らえない。過去の逆らった国がどうなったかよく知るが故に・両超大国の最後の戦争は9000万年前。この超大国以外存在もしていなかったというのに。
キシリムの街に着いて半月ちょっと。銅か銀のクラスのクランで僕を受け入れてくれるところを探した。黒の5ではあるけれどクランは初体験下積みからやらせてくれる方がいい。
そんな僕の条件で受け入れてくれそうな銀のクラン「月と狼」、評判良い、クラン自体の評判良い、なぜ一番若手が石の3?気になったのでさらっと調べたら、バックアタックをくらって骨まで行ったそうだ。それで長期離脱中。よし、ここにお願いしに行こう。
「あの~すみません」卓を囲んでいた皆から驚いた視線を浴びる。こんな美形見たことないこれに近いのはシャル・フローレンス位かと。次には衝撃の言葉が来る。
「もしよろしければ、このクランに入れていただけませんか?、僕はジークナイト・マジェストといいます。ランクは初心者ですが鉄の5です」
「バカにしてんのか?初心者で」ガン!今のバックラー、「その名前本物か?」
僕はギルドカードを取り出し魔力をこめる。年配組が探りを入れてくる。
「さっきも言った通り鉄の5なんですけど、初心者なんで木のランカー扱いくれるところを探していました。もちろん戦闘はランクに応じた戦いをします。
あとは治癒の方で、役立てると思います。そういって魔力を通した治癒3種のカードを見せた。
「なぁ、治癒3種は俺も驚いた。でもみんな他の所に驚いてね?」
「そりゃ驚くさ、9校祭永世王者最強の男、そして幻の王者、それがこいつだ。しかもうちへの入隊希望だ。みんなどうする?
「「賛成!!!」」
気のいい人たちだった。いきなり飲み会とは思わなかったけど。初日から楽しかった。
運んだ後の未来 @bangdoll0516
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。運んだ後の未来の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます