第4話 Paladin (パラディン )

女黒騎士と耽美なるパラノイア

猿芝居かめ

第4章 Paladin (パラディン )


俺は、やっつけの儀式で無理矢理に転生後の成熟した魂を過去の自分に定着させられ副作用なのか、

転生前の記憶が一瞬だけフラッシュバックをし激しく意識が混濁した。


「ん …黒騎…士…」


『大丈夫か?まぁ、無理もない。色々と急だったからな。話は また、今度に…』


ガシッ____

強く黒騎士の手首を掴む。


「……いや、駄目だ。俺は一刻も早くここから………」


『!?ろろろ、ロウシ、た、猛るでないか!』

慌てた顔をした黒騎士は動揺しながら言った。


「………はぁ?」


『あまり、煽るものではないぞ! ぐふぇふぇ////』


(……………………………。)


「な、何か勘違いしてるようだけど...... 気持ち悪い笑い方すんなよな。」


『§*%£☆ お、お前が本当の私を望むなら、 煉獄へ墜ちて2人で交わり続ける事も可能だ。ま、まぁ…白き者のお前は、ちょっとだけ 抵抗を感じるやもしれんが、我慢ポイントとしては、魂の転生ができず、魔神逹の監視下で私と一秒も離れられず、交わり続け、やがて長い時を掛けて私達は1つの個体となり自我を失い。亡者となり、人類の害悪となるだろう。

実体の私の体は古き契約により鎧にくれてやったのでな。

まぁ、 煉獄へ行けば願いは叶うので対した問題ではないのだが。 お前がそのやり方は受け入れ難いと言うのであれば、む…無論、 煉獄に逝かずとも夢魔の力を借りてお前を受け入れる事も可能だが、あくまで、夢なのでな//// わ、私としては、だ』


一心不乱に奴が言葉を綴り続けるので、一気に疲労感がました。

聞かされるこっちの身も考えてほしい。



「嫌だね。」


「 …と言うか、そんなにロウシってやつは、アンタにとって大切な奴だったのか?」


真顔に戻った黒騎士は、

少し遠くを見やると改めて薄い唇を開いた。


『そ、そうか。なら少し、、、お前が生まれ代わる前の話をしょうか。



昔、 私は村の壊滅がきっかけで国に復讐する為、魔神と契約。

人間性を捨て黒騎士になる。

そして、国を滅ぼし放浪。

誰からも優しさや施しを受けた事がなく、自分より強いモンスターに 嬲られ半殺しになって倒れているところを冒険者気取りの人間に攻撃されて、

動けずにいたところにロウシが現れ野蛮な人間を追い払ってくれたのだ。


(「お止めなされ、この様な者に触れるだけであなた方の信徳が薄れてしまう。

さぁ、神の子らよ。

後は、この老士に任せなされ。儂はこう見えても聖職者での、カルマを溜めずにこやつめを葬れるでな。」)


そう言いながら、奴らが失せた後にヒールをして助けてくれたロウシ。


初めての優しさに、私は惹かれ始め、怪我が回復するまでロウシの小屋に滞在した。


最初、私は憎まれ口を叩いたが、だんだんと愛に変わっていった。


何故、小屋に連れ看病してくれたか、不思議で私は問いてみた。

ロウシが言うには、

黒騎士は強大な力、腕力など武力を得る代償に、一度怪我をすると傷口が閉じる事は二度と無い。

呪いにかかる。生命力を極限まで高める事で命は繋がっているが、出血は止まることもなければ、一生痛みからは解放されない。


ただ一つ 傷が癒える方法は聖なる者の癒し魔法で治る。

ただ、闇に堕ちたものに聖なる者らは殺しにかかってくる事はあっても助ける事は無い。

損傷が酷かった為、ヒールだけでなく、蛇の血が必要だったから、小屋へ連れてきたそうだ。』


『 惚れるだろ! 』


フンと黒騎士が鼻息を荒く言い放った。



「それって、アンタ名前しらないんじゃないか。老士って。名前じゃないと思うよ。」


ちょっと嫌がらせで言った一言だったのだが……………



『そうなのか?まぁ、ロウシも私の名は知らないしな。』


また、意外な展開だった。


「はぁ?そんなんでアンタは、なんて呼ばれてたんだよ。」


『ロウシは私を黒騎士と呼んでいたな。

………………………。

まぁ、聞かれなかったし、ロウシは私の名前なんか興味なかったのだろう。私はロウシの好きなようにして欲しかったのだよ。』


「ふーん。俺も別にアンタの名前なんか興味ないね。ただし、俺の名前は 史牢(シロウ)だ。そこは、ちゃんとしろよな。」


『分かったぞ、シロウ』


黒騎士は俺の手を取りキスを落とし言った。




次回へ続く。

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