第10話 る
翌日、彼女は迎えに来なかった。約束の3日間が終わったからだろう。
寂しい気持ちを抱えながら、僕は1人で学校へと向かった。
教室に入ってすぐ、僕は彼女の姿を見つけることが出来た。
いつも隅にいるはずの彼女が、教室の真ん中にいたのだ。
……みんなの頭よりも彼女の足が上にある状態で。
後で聞いた話だが、彼女のお腹には3ヶ月の赤ちゃんがいたらしい。
それを聞いてすぐにわかった。
彼女は僕に……いや、自分を孕ませた男の息子に復讐しようとしたのだと。
あの日から10年。同窓会で会ったクラスメイトの中で僕だけが彼女の名前を覚えていた。
彼女の名前は『ゆり』。
あの日、彼女の机に飾られた花と同じ名前だ。
彼女は一輪の花になる プル・メープル @PURUMEPURU
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます