夏
松蝉の
ごとく消えてく
思い出と
明日の私は
どこか似ている
山際に
光かけたる
朝焼けを
きみはながめる
あいの風ふく
むくむくと
大きく育て
雲の峰
雨よふれふれ
虹をみせてよ
自粛中
アロハシャツきた
父さんが
退屈そうに
窓の外見る
汗疹でき
赤く腫れてる
あなたの背
そっとやさしく
軟膏を塗る
羽根やぶれ
飛べずうごめく
ガガンボの
最後の声を
聞いた気がした
雨つづき
黄ばんで枯れた
ゼラニウム
それでもきみは
水をやってる
得意げに
祖父が捕らえた
牛蛙
ため池みるたび
思い出しては
熱帯夜
寝苦しい日々
続いても
いつも二人で
隣り合わせで
結末が
切なすぎると
困るから
決意隠した
ほとぼりに初夏
ソーダ水
喉の渇きを
潤して
あいつの好きな
言葉にかえて
ひぐらしが
想いを巡らし
カナカナと
その日暮らしの
恋は短し
溶け落ちた
アイスクリーム
ぬぐう指
小麦色した
君の横顔
短歌集 入間しゅか @illmachika
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