あとがき
最後までこの小説を読んで下さり、ありがとうございました。
オリジナル小説で長編を書いたのは初めてで(以前から小説を書こうと思いつつ長続きしなかった……)、ようやく自分の思い描いてたものが文字化してくれました。
吸血鬼や警察ものに関しては、本当は高校生の頃から構想を練っては挫折してを繰り返しており、この度吸血鬼、警察ものを混ぜ合わせたお話が誕生しました。
高校生の頃のわたしに言いたい。
「やれば出来るっ! 諦めるなっ!」
小説内でCTのことを書かせていただきましたが、わたくしの知人に放射線技師の方がおりましたのでCTのことを詳しく聞かせていただきました。
まさかCTで全身を撮影するのに一分もかからないだなんて驚きでした。どうやら寝台に体を寝かせ、腕などの位置調節をする方に時間がかかるらしいです。
それと最近の司法解剖ではCTを撮るのが当たり前になり、レントゲンだけでは見過ごされていた所見を発見しやすくなった、と仰っておりました。
戦後間もない日本についてですが、ネットなどの記事を拝見した時は言葉を失いました。
当時の防空法や戦争孤児たち、生きているのに死亡扱いされたということに。
今年で七十五年がたった今でも当時の方々を未だに悲しませているということに、今の若者たちは、経験したことはないけれど、そういうことがあった、ということを忘れてはいけないと考えさせられました。
中学校の頃に文化祭の合唱で『木琴』を歌ったのですが、当時は戦争に関する歌としかわたしは認識しておりませんでしたが、この小説を書くきっかけで調べてみると、『木琴』は東京大空襲のことを歌った歌だと知りました。
わたしは、勿論ですが実際に戦争を経験しておりませんが、『木琴』や『消えた八月』を聞いておりますと、脳裏に焼夷弾や原爆を落とされ人や街が破壊される場面が浮かび上がり、涙してしまいます。
絶対に忘れてはいけない。
吸血鬼に関してはドラキュラ伯爵ではなくマーカラ伯爵婦人(カーミラ)の方を主に参考にさせていただきました。
日光がまあ平気とか、チョコレートいける口とか(牛乳はわたしなりの救済)、誠一郎が夢の中でミナ子に噛まれるシーンなど――本当は胸元ですが――。
お気づきの方は、存じていらっしゃると思いますが、カーミラのモデルといわれているバートリー・エルジェーベトの名字をミナ子の名字に使わせていただきました。
“バートリー→バトリ→場鳥”
ミナ子の名前はドラキュラの方に登場するミナ・ハーカーから。因みにドラキュラ伯爵は未読です……。
月並みな構成、内容とは重々承知しておりますが、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。
出来ましたら二作目も書きたいと思っております。
赤い瞳と監察医 スグル @bange0203
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