第3話 邦星人と異星人
あれが地球人ね。
「こんにちは。ワタクシは地球が大好きなの。ワタクシのうちで地球の話を聞かせてくださる?ワタクシが持ってるものならなんでもあなたたちにあげるわ」
「ありがとうございます」
よかったわ。地球人たちが喜んでいるわ。
「では、ご案内しますわ」
ワタクシの家に着くと地球人たちは畏まった顔で玄関に並んでいたの。ワタクシが入ってって促してやっと入った。礼儀正しい生物なのね。感心しましたわ。ワタクシたちはしばらくエントランスホールで語り合ったの。地球人は水をつくる機械を直す部品が欲しいと言ったの。でも、この星にはそのようなものはないから残念だけれど直せないわって言ったら、地球人は黙りこくってしまったわ。水のストックもさっきの事故で失ってしまったらしいの。結局青い水は見られないのね。
地球人はあと3日ほどで自分たちは死ぬと言ったの。あまりにもかわいそうだからワタクシの地球儀コレクションを見せたわ。そしたら地球人たちは50年前の地球を表す地球儀に飛びついたわ。僕はこの島からきたんだ。私はこの大陸のここからよ。俺はこの山だ。なんて盛り上がっていたわ。せっかくなら綺麗に真っ青になってからの美しい地球儀を見ればいいのに。見る目がないのかしら。その地球儀が欲しいのならあげるわって言ったら地球人は目から何かを流していたわ。
宇宙人からもらった地球儀 黒澤 東 @azuma-kurosawa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます