第2話 異星人は
私たちは地球から航行して50年以上になる。もう人類は絶滅しただろうか。まだ絶滅していなくてもいずれは絶滅する。だから私たちは生き残らねばならない。人類なんて絶滅したっていいじゃない、なんて言うなよ。とにかく私たちは生き残るためにいろいろ工夫を凝らして、宇宙船内でそれなりに安定した生活を営んでいた。しかし、一週間前に水をつくる機械が壊れてしまったのだ。一ヶ月は水のストックがあるが、早く機械を直さねばならない。近くの惑星に声をかけたところ、ある星が名乗りを上げてくれた。これからその惑星に着陸して部品をもらうところだ。
船長、減速するためのエンジンが動きません!このままだと墜落します!
この一声から船内は慌ただしくなった。ある船員は船外に出て原因究明をし、ある船員はメインコンピュータを必死に操作した。だが、もう間に合わない。惑星に勢いよくぶつかった船体は大破した。不時着した場所はこの惑星の住人の集落らしい。何件かの家を壊してしまった。タコのような生物がわらわらと私たちの周りに集まってきた。私たちは翻訳機を使って語りかけた。一週間前に連絡した地球人です。助けてください。タコのような生物たちは金切り声をあげた。こんなものも翻訳できるのだろうかと一瞬疑ったが、翻訳機にははっきり文字が出ていた。
こんなに私たちの街を破壊して。さてはお前ら侵略しにきたんだろう。
いいえ、違います。私たちは機械の部品を少し分けて欲しいだけで、侵略なんてする気は毛頭ありません。翻訳機を通じて意味は伝わっているはずだが。私たちはここで死ぬのか。すると、ある一匹のタコ(のような生物)が他のタコたちをかき分けて私たちの目の前に現れた。
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