正統派のザ・ホラー的な物語を探し求める方へおすすめ!

 一つの廃村にあった古い風習をめぐる心霊事件を中心に、それに関わった者たちが紐解いていく話です。

 各章ごとに、各人物へスポットライトを当てて展開していく話の流れは、それぞれの人物群像に確たる個性と、生々しい現実味を与えてくれます。

 そして、そのバラバラに進行していくように見えた話が、一つの話に集まり、真実へと迫っていく様子は、単純にホラーの物語ってだけでなく、一つの群像劇を読んでいるような感覚を受けました。

 また、ゾッとするような心霊現象や、霊視などを用いて事件を調査するなど、ホラーならではの場面も所々よく配置されていて、時々ヒヤッとしながら飽きずに読み進めることができる話となっています。