第17話・・・料理人の階段・・・

ーーーーーーー夜ご飯ーーーーーーーー


テーブルには海夢とララの作ったチャーハンが並べられていた、


お米一粒一粒が輝いてまさに、

黄金チャーハンだった、


「せっかく作ってもらった事だし、

冷めないうちに食べよっか!」

デルさんがそう言うと、

みんなは手を合わせて〈いただきます〉

と言ってチャーハンを食べた、


「美味しい!、

これでララもレベルアップね!」

デルさんがララを褒めるとララは嬉しそうに笑っていた、


「よかったな! ララ、」

海夢もニコッと笑ってララの方を見つめた、


ララは顔を赤くして嬉しそうに微笑んでいた、


「今回に関してはあなたのおかげよ、

ありがと、海夢!」

そう言うとララは一足先に部屋に戻って行った、


そしてみんなも夜ご飯が食べ終わった、


「あ〜、美味しかった! また作ってよ、

それにしても本当に海夢は料理が得意なんだね、

結婚したら毎日作って貰いたいもんだよ

よ、!」

シャウラが冗談ぽく海夢を揶揄うと、

海夢は顔を赤くしていた、


すると、それを見ていたミラが怒った表情で睨んでむくれていた、

〈プーー〉


それに気づいたシャウラは気を使うように言った、

「ウソウソ、冗談だよ!

それに、そんな事したら、、、、、

ミラに怒られちゃいそうだし、」

ミラはそれを聞くと恥ずかしそうしていた、


「べ、別に私は、、、、、」


「はい、はい! 私たちはもう寝るね、      ごちそうさま、」

シャウラはそう言うと顔を赤くしたミラを引っ張って部屋に戻って行った、


そしてその後デルさんと海夢は食器の洗い物をしていた、


「それにしても、あんた本当にすごいねぇ! あんな美味しい料理を作って!

本当に助かるわ!」


「いえいえ、

ララが頑張ってくれたおかげですよ!」


2人は喋りながら皿を洗っていた、

すると海夢は、表情を変えてデルさんに尋ねた、


「あの〜、そう言えば旦那さんは今日帰ってくるんですよね?

もうこんな時間ですけど、」


「あ〜その事なんだけど、

さっき連絡があって帰ってくるのは夜中になるらしいの、

だから海夢乃料理遠旦那に食べて貰おうと思ったけど、余ったチャーハンがあるからそれを食べさせておくわ!

今日はゆっくり休みなさい!」

デルさんは優しく声をかけた、


「そうですねぇ、そうしていただけると助かります!」


「明日の朝にでも料理の感想を聞いてみるといいわ!」


「感想ですかぁ、少し緊張しますねぇ、!」

不安げな表情でそう言った、


「きっと大丈夫よ、あれだけ美味しいものを食べたらきっとあの人も感動するわ!」


「だったらいいんですけど、、、」


そして話している間に洗い物が全て終わった!

海夢は手を洗って部屋に戻った、


布団に入ると、

海夢の表情は少し不安な感じだった、

そう、

明日の料理の感想がとても怖かったのだ、

相手は一流の料理人、そんな人に少し

料理が得意なだけの奴が作った料理を食べてもらうのがかなり心配だったのだ、

〔ヤベー、怖くて寝付けない

でもデルさんもあいつらも〔三つ子〕

あんなに喜んでくれてたし、

でもどうしよう、料理を馬鹿にしてんのか!とか言われたら、〕

海夢は目を閉じた後もそんな事ばかり考えていた、


ーーーーーーーー翌日ーーーーーーーー


〔結局3時間しか眠れなかった、〕

海夢は目の下にクマを作って一階の調理場に降りて行った、

そしてそこには、

エプロンを来てコック帽を被ったデルさんの旦那さんの姿があった、


旦那さんは海夢と目が合うとニコッと笑って話しかけて来た、

「お〜、海夢くん!

初日以来だね、お久しぶり!」


海夢は、緊張して声を震わせながら答えた、

「い、いえいえ!

こちらこそいつも皆さんにお世話になっております!」


お互い挨拶を交わすと、ついにあの話題に触れた!


「昨日の料理食べさせてもらったよ!

チャーハンって言うんだっけ!」


「は、はい! そうです、、

それでお口には合いましたか、?」

海夢は緊張しながら聞くと、

旦那さんは息を大きく吸って答えた、


「とても、美味しかったよ!

あんな料理初めて食べた」

それを聞くと海夢はほっとしたように喜んでいた、


「ほ、本当ですか?」


「あ、もちろん本当だとも、

それに君の事は色々妻から聞いてるよ!

私のいない間に本当にありがとね、

お店を、家族を守ってくれて!」

旦那さんはとても優しく笑顔でそう言った、


「たすけられて、守って貰ってるのは、

僕の方ですよ!

デルさんにも、あの3人にも、、、」

海夢も優しく笑って答えた、


すると旦那さんは表情を真剣にして言った、


「海夢くん、君に頼があるんだ!」


「僕に頼みですか?、

まぁ、僕に出来ることであれば!」


「君に一緒王都に来て料理を作って貰いたい!」


すると、海夢は驚いた表情をして聞き直した!


「ぼ、僕がですか?、

む、無理ですよ!

そんな王様のいる所に行って料理を作るなんて!」


「これは、私からのお願いだ!

どうか頼む!」

そう言うと旦那さんは頭を下げた、


「そ、そんな頭を上げてください、

でも僕そんな大した料理は作れませんし、」


「君は謙虚なんだな、でもあんなに美味しい料理を作れるんだ!

技術だけで作れるものじゃない!

それに、妻からも聞いたよ、

この世界に無いとんでもなく美味しい料理を君は作るってね、」


「で、でも僕が王都に行ったら店の方が人数足りなくなりませんか?」


「そこに関しては、大丈夫だ!

私の娘達と同い年の従兄弟が居るんだ、

その子に手伝って貰えるように頼んである!」


海夢は少しガッカリしたような表情をしていた、


「ちなみに、王都の方にどれくらい行くんですか?」


「そうだなぁ、1か月くらいだろ!

でも週に1日は休みを貰える!

大丈夫だ! 君ならきっと出来る」


海夢は少しの間考えた、

そして表情を変えて答えた、、、


「わかりました、行きましょう! 

僕なんかで役に立てるのであれば、

全力で料理を作らせていただきます!」


「じゃ、決まりだな出発は明日の早朝だ!

妻やみんなには俺から言っておく!」

旦那さんはとても嬉しそうに言った、


すると海夢が気になる表情をして尋ねた、

「そう言えば、お名前は、、

何と呼ばせて貰ったらいいでしょか?」


「おっと、そうだったな!

俺の名前はガイルだ、この国で5本の指に入る一級の料理人をやらせて貰ってる!

ガイルさんって呼んでくれ海夢くん!」


「は、はい! わかりました、

それでは改めてよろしくお願いします、

ガイルさん!」


2人は仲良く笑っていた、


この時海夢は王都に行くのを初めは嫌がっていたけれど、

楽しみと言う感情が少しずつ溢れて来ていたのだ、


こうして海夢の王都への料理人の道が始まるのであった!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そしてその夜、ご飯を食べ終えると、

海夢と三つ子の3人が話していた、


「海夢、王都に行っちゃう?」

ミラが寂しそうな表情で聞いた、


「あ〜、少しワクワクしてるんだ!」

海夢は嬉しそうにして答えた、


「そ、そう!、勝手に行けばいいわ!」

ララは強がってそう言っていたが、

表情はとても悲しそうにして、

今にも泣き出しそうであった、


「こんな事言ってるけど、みんな海夢がいなくなってしまう事をとても悲しんでいるのよ、

もちろん私もね、」

シャウラも悲しそうに海夢に言った、


「だ、大丈夫だよ!

そんな居なくなるったって、

たったの1か月だけだし!

週に1日は休みも貰えるんだ、」

海夢は元気付けるようにそう言った、


「じゃ〜約束して!

必ず休みの日には帰ってきて、

帰って来ないんだったら私の方から王都に行ってやるんだから!」

ララは涙目でそう言った、


「もちろんさ、俺も寂しいしな!」


「私も海夢に会いに行く!、それでもって電話もする!」

ミラも声を大きくしてそう言った、


「あ〜、わかったよ!」

海夢は嬉しそうに答えた、


「それじゃ2人ともそろそろ寝るよ!、

海夢も頑張って来てね!」

シャウラは笑って海夢の背中を押した、


「あ〜、どうせ王都まで行くんだ!

料理人として、何倍もレベルアップして帰ってくるさ!」


海夢がそう言うと3人は嬉しそうに笑っていた、

「それじゃ、おやすみ!」


こうしてみんなはそれぞれ部屋に戻って行った、


ーーーーーーー翌日の早朝ーーーーーー


みんなは店の外で海夢を見送っていた、


「じゃ海夢、頑張って来なさいよ!」

デルさんは嬉しそうに笑ってそう言った


「はい!、デルさん頑張って来ます!」


そして三つ子の3人は悲しい顔を一切せずに笑って見送っていた、

「海夢、ちょっと来て、渡したい物があるの! はい、これ!」

シャウラが海夢に渡した物は小さなお守りだった、

「これは、?」

私たちは3人で作ったのよ! 頑張って来てね!」

シャウラがそう言うと、ミラとララもニコッと笑っていた!


「あ〜、頑張ってくるよ!

ありがとう!」

海夢は嬉しそうに笑って受け取った、


「それじゃ〜、あなたお願いね!」

そう言うとガイルさんはニコッと笑って頷いた、


「それじゃ、海夢くん行こうか!」


「はい!」

元気に返事をすると2人は歩いて王都へ向かって行った、


そして海夢が行った後、

ララとミラは悲しそうに泣いていた、


「大丈夫!、すぐに会えるから!」

シャウラは泣いている2人を励ますように言った、


「そうよ!、海夢と旦那が居なくても、

私たちで頑張らないと!」

デルさんは気合十分にそう言うとララとミラも涙を拭いてニコッと笑った、


こうして、海夢は王都での料理人としての本当の仕事が始まった!

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異世界では意外に役に立つ 千葉キョウスケ @kyou0108

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