「見え方」がちがうということを、どこまでも肯定的に見つめる作品

男性嫌悪にとりつかれた少女と、その担任教師とのやり取りを軸にコミカルに進みつつ、鮮やかにそして軽やかにジェンダーの議論を取り込んだ、興味深い短編です。
立場がちがうこと、ひとつの規範からはずれていることを、どう捉えるのか。言葉にするとなんとなく説教臭くなってしまいますが、そんな重苦しさはまったくなく、明るい結論に達する作品です。ふたつの「見え方」のちがいを上手に響き合わせた、心地よい短編です。