休養エマ
昨日フィリアとのデートを終えた俺だが今日はまた新たな試練があるようだ。
どうやら早朝に帰ってきたエマに昨日のことを話したらしくとても羨ましそうにしていたそうだ。
だから今日はエマと出かけよう、そう思い今エマの部屋に来ている。
「エマ、いるか?」
「はーい。空いてますよ。」
とのことなので扉を開ける。
「どうしたんですか?」
期待の眼差し。これは待っているのかな?
「デートいこっか。」
俺はストレートに行った。
「下で待ってるから準備が出来たら来てくれ。」
「わかりました!急いで準備します!」
「いやいやゆっくりで良いからね。」
「はい!」
俺は下に戻り紅茶をいただく。
少しソワソワしながらエマをまつ。
数分してどどどどどと階段を勢いよく降りてくる音がする。
「お待たせしました!」
「じょあいこっか。」
「はい!」
ちなみに今日は行き先を決めている。
普段王都にいたエマに王都見学はどうかと思ったので思い切って王都を出てみることにした。
とは言ってもそんなに遠くない歩いていけるほどの距離にある。森の中にある川に向かう。魔物も居ないし散歩スポットとして有名な場所だ。
「ここがササリ川なんですね。初めてきました。」
「そうなのか?」
「はい。私は王都にいる時滅多に王城から出ませんでしたから。だから王都を出て外を歩くのは新鮮で良いですね!」
「それは良かったよ。」
仲睦まじく手を繋ぎ散歩道を歩く。それから少し散歩道を分かれてあるポイントに来ていた。
実は肉屋のおっちゃんに今日の朝にここのことを聞いておいたのだ。
おっちゃん頼りになるな~と思ったらその昔はプレーボーイだったそうだ。
そしておっちゃんおすすめのスポットにつく。
少し開けた池のようになっている場所。
木々の隙間から光が差し込んで水で反射してキラキラと輝く。水は透き通り泳ぐ魚がよく見えた。
俺はストレージから長い棒を取り出す。
糸のついたそれはそう、釣竿だ。
俺がまだ子供でじいちゃんが生きていたころはよく近くの川に連れて行かされたものだ。
今朝購入した釣竿を2本取り出して餌を付けてからエマに渡す。
「これはなんですか?」
マジか王族になると釣りも知らないのか・・
「これは釣竿と言って糸の先に針が付いててそこに餌を付けて水辺に垂らして魚がくるのを待つんだ。それが釣りと言われる物だよ。」
「これが釣竿なんですね。昔絵本に出てきたのを覚えています!」
御伽噺レベルなんだな。まぁ知らないとしてもこれから知ってくれればいいしね。と言っても俺もそこまで詳しいわけじゃないしどちらかというと初心者に毛が生えた程度だからな。
と言うことで早速釣りを始める。
「エマ釣りは釣竿と心を一つにして魚を落ち着いて待つんだ。そしたら魚が餌に食いつくからここぞとに引いて魚を釣り上げるのが釣りの極々簡単なやり方だ。他にも様々なやり方があるらしんだけど俺もそこまで知らないんだよね。」
「わかりました!早速やってみましょう!」
「そんな慌てなくても魚は逃げないからね。」
釣竿を片方渡して椅子を取り出して座りながら釣りを行う。
10分ほどじーと魚を待つするとピクんピクんピクんとエマの釣竿が引かれる。
「あわわわわアストさんなんか引いてます!」
「落ち着いてエマ。まだ待つんだ。魚に針がしっかり掛かるまで待って………いまだ引け!」
「は、はい!」
エマは細い腕で一生懸命釣竿を引く。
魚との力勝負はどっこいどっこいだ。
「エマ手伝おうか?」
「お願いします。」
俺はエマの後ろに立ち抱くようにして釣竿を一緒に持つ。
エマの暖かさを感じながらちょっと行けない気持ちになるが今は魚だ。
「あっ。」
手を握った瞬間にエマから声が漏れる。エマも少し意識したのだろう。
「ほら集中して」
「はい。」
意識を俺から魚に向けさせることに成功した。
むふふもう少しエマを堪能させて貰おう。夜とはまた違った良さがあるんだよな。
おっほん。えーそのことはとりあえず置いておいて俺も魚に集中する。
「よし。一緒に引こうか。」
「はい!」
「せーの」
俺は力一杯とは言わずに少し補助する程度で力を入れる。
ん!
確かに重いなこれは
「エマこれはきっと大物だぞ!」
少し力を入れて釣竿を引っ張る。
流石の大物も俺には勝てずに魚が水面から顔を出した。
「おーこれは大きいな!」
「そうですね!今日の晩ご飯にしてもらいましょう!」
その魚は60cmはありそうな大物で釣ったエマも嬉しそうでぴょんぴょん跳ね回ってる。
兎みたいで可愛いな。
「あっ!すいませんはしゃぎ過ぎてしまいました。」
「いいよ。これは帰ってちゃんと調理しようね。」
俺はそういい魚をストレージにしまう。
本当は早く血抜きとかしたほうがいいのかもしれないけど、俺のストレージなら関係ないからな。
それにしても表情がコロコロ変わって本当可愛いな。
さっきから俺可愛いしか言ってない気がする。
ま、まぁそれは置いといて釣りを再開しますか。また餌をつけてあげて開始する。
そして4時間後
どうしてこうなった?
家に帰って来てフィリアに今回の成果を見せたのだが俺の成果0、エマ53匹。どう考えてもおかしい。隣で釣っていたはずなのに食いつくのは毎回エマの釣竿。五回目くらいからはエマもコツを掴んだのか一人で釣り上げられるようになって俺のムフフなスキンシップは終了を告げられそこから3時間は俺の釣竿は閑古鳥が鳴いておりエマは大盛況。流石に暇すぎてエマをじーと見てたらちょっと怒られるなどしてようやく日が沈んだので帰ってきたのだ。帰ってくる途中はエマもるんるんと機嫌が良かったのでまぁこれで良かったのかなと思う。
「エマ良かったわね。」
「はい!今日はありがとうございました!」
「いいのよ。私たちはもう家族なんだから」
「フ、フィリアさん……」
エマは目をうるうるさせて女の世界に入っておられる。
「それでエマが釣った魚を出してくれる?」
俺に魚を要求。
「これだよ。結構重いぞ。」
ストレージから60cmサイズの魚を取り出して手渡しする。
「う、確かに重いわね。」
フィリアはすぐにキッチンのほうに行く。
「今日はこれでご飯を作るからエマも手伝ってくれる?」
「はい!お手伝いします!」
「俺も手伝うことあるか?」
「んーじゃぁお風呂沸かして先に入ってきて。」
「わかったよ。」
二人でキッチンに向かい俺は風呂屋に向かう。
火魔法と水魔法を使ってお湯をちょうどいい温度で作り出してお湯を張る。
衣類を脱いで体を洗ってから湯に浸かる。20分ほど浸かってから上がった。
するとキッチンからいい匂いがして来るのでさっそくキッチンに行く。
するとちょうど料理をテーブルに並べている所だった。
「手伝うよ。」
「ありがと。」
料理を並べ終わり席につく。今日のご飯は魚を1匹丸ごと塩焼きにしてさらに少しサイズの落ちる魚を煮物にしたようだ。それとサラダに白いご飯がついてくる。
「神の恵みに感謝を込めて」
「「「イリース」」」
感謝を込めていただく。
今日食べた魚はとてもうまかった。
え?感想が味気ないって?いやまぁ俺に食レポは求めないでくれ。
食事も終わり二人とも一緒にお風呂に入りに行くので俺は一足先に寝床へそして二人が風呂を終え寝床に来る。
そして今日も今日とで大人な幸せな時間を過ごした。
勇者パーティーを追放された荷物持ちの俺命の危機が迫りセカンドスキルに目覚める えるあ @elua0719
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