生か死か。自分にとっての真実は。

言葉が出ません。
胸がギュワンギュワンしています。

星の光と太陽の闇。
運命に逆らう生と殉死。
第一章から息をつかせない。

小説は交響曲だったんだ。
登場人物の一人一人のメロディが、
人と人が奏でるハーモニーが小説全体を響かせあいながら終章に向かう。

遠い遠い昔のパレンケの物語。
ジャングルの奥にそれはそれは豊かな国がありました。
紅い星が現れて運命を分かちます。
意味をつけて意味に殺される。

人間の知恵が神様を生み、生み出した人間を滅ぼす。人は賢いのか愚かなのか。人には自然があまりに大き過ぎて何ともし難いから神様が生まれたのに。
自らを信じるものが生き残る。
昔むかしの物語、それは昔を語ると同時に今を記す。
私だったらどうするだろう。文化に支配されるのか、主体的な生を選ぶのか。

是非、読んで欲しい作品です。

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パレンケの舟

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