じわじわと迫り来る運命の刃

序盤も序盤から、人々には死の運命が突きつけられ、それは最後まで一貫します。そこから逃れる者、それを受け入れざるを得ない者が描かれることになるわけです。

前者を主軸に話が進んでいく一方、その間に後者にはじわじわと運命の刃が抗いようもなく迫っていたのだと最終局面で改めて気付かされます。現代的な感性からすれば、それは虚しいままに。

物語全体を俯瞰して得られる虚しさこそがこの作品の主題と捉えることもできます。時代を超えた考え方のギャップを効果的に利用した作品だと思います。