第80話閑話休題2 ある少女の話2

魔物が倒され脅威が去ってから、復興を始めていく事になる、ハイエルフとダークエルフの中はリセットされつつあった。ただし『若者の中では』。


若者は前線でお互いの命を預けて戦った。文字通り戦友になったのだが、魔法が得意な世代であった中間層は相変わらず距離が縮まら無いまま最後まで戦っていた。


人口のピラミッドは戦争の犠牲で人口数が減った若者が一番少数になり、お互いの村の中で派閥ができていくのは当然の流れだったんだと感じる。


そんな中で少数派の意見も組み込んで村長の子供同士で結婚をするという話が出た。政略結婚ではあったものの何故かお互いすんなりと同意をして結婚する事になった。


この結婚から、若者と中間層での対立が激しくなり、私の両親がいた村はどちらも壊滅する引き金になった。

両親のいる間も陰でいたずらはされ続けていたが、両親に私は相談していなかったのだろう。ある夜たまたま家を抜け出してトイレをしてもだった時には家が燃えていた。


おそらく若者の仕業ではなく、中間層以上の者たちの仕業なのだろうが一番消したい私が生き残っていた事が問題であったのだろう。

親戚の人たちも相談した上で村から脱出させる方を選んでくれた、その協力のおかげでエルフの村から逃げる事ができた。


一緒に逃げてくれた人は、エルフの村では裏切り者で、その家族共々処刑になったと言う知らせが来た日から、私を守る対象ではなく、責める対象として見たのだろう、知っているのではなく、朧げな記憶を繋げて想像した物に近いのだが多分間違っていないのだろう。私の記憶には一緒に逃げた者の名前が抜け落ちていていつからそうなっていたのか分からない状態だった。


そんな状態で人間の子供たちにも危害を加えられていたものだから、わたしはこの世から亡くなるべきだと思い込んでいたのだけれど、そんな時私の前に現れて一瞬で全てを変えて私を新しい家族に迎えてくれるきっかけの彼にあった。


生きている意味のなかった私を、救ってくれた彼に私の全てを捧げよう、そう、ちいさいながら思ったのはきっと間違いではないのだろう。

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結局転生チート出来るんだよな? モコ @moko1917

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