第79話閑話休題2ある少女の話


私の記憶はいつも悲惨だと感じる。


両親について覚えていることは、一つだけだ、その一つすらもうほとんど思い出せないのだけれど、母親と父親のマナの雰囲気しか覚えていない。


母親のマナはすごく暖かくて好きだ私の事を包み込んでいてくれた様に感じていた、父親は守ってくれる心強いマナだった強い威圧と共に私には決して向かない常に壁になっていたような気がする。


これが私が唯一覚えている両親の事だ。


聞いた話だと私は、ハイエルフの村長の娘の母とダークエルフの村長の息子である父から生まれた子であったらしい。

そんな状態で私が生まれるきっかけになる事件が発生した。


ハイエルフとダークエルフはお互いを受け入れられずにいた。

ただ、私が生まれる数年前に魔物の突然変異の発生が影響で魔物の生息域が大きく変わることがあった。どちらも魔物の生息域からは距離を取って村を築いていたのだが、どちらの村も魔物の生息地に取り込まれる状態まで追い込まれていた


そんな中光属性でダメージを受けない魔物。

闇属性でダメージを受けない魔物。

この騒動のボスは光属性と闇属性の同時攻撃でしかダメージを受けない魔物であった。それぞれのネームド級モンスターが突然変異の中心部にいることが確認された。


これを知った。双方の村では村の生息域奪還までの間だけの同盟を結成して

ずっといがみ合っていた者同士が背中を預け合う形での戦いに挑む事になった。


どちらの村も総力戦での戦いになった。光魔法に種族特性が乗るハイエルフ闇属性に種族特性の乗るダークエルフどちらも自分の得意な魔物と戦う事によって徐々に混乱はおさまってきた。

それでもお互いの村の人口は総数で30%ほど減ってしまった。

その犠牲者は前衛をしていた若者が多く、【後衛の】魔法の詠唱を唱える時間を稼いでいた若者が大半であった。


多くの犠牲を払い、最終的に光闇魔法による同時攻撃で倒すことに成功したらしい、なぜかネームドの名前は伏せられているのだが、討伐者も名前ではなく、

ハイエルフの村長の娘ダークエルフの村長の息子となっていると聞いた。

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